世界マスターズ水泳80~84歳の部、別府市の村上さんが50メートル背泳ぎV【大分県】

世界マスターズ水泳選手権で優勝した村上英敏さん=別府市野口原の市営温水プール

 【別府】世界マスターズ水泳選手権(2~11日、福岡市など)の50メートル背泳ぎ種目(80~84歳の部)で、別府市鶴見の村上英敏さん(79)が優勝した。別府市営温水プール(野口原)で指導員を務めながら競技を続け、県体などへの出場を重ねてきた。初めて挑んだ世界の舞台での栄冠に「これまで頑張ってきてよかった。仲間や家族に感謝したい」と喜んでいる。

 レースは11日にあった。今年中に80歳を迎えるため80~84歳の部に出場。参加標準記録を突破した世界各国の19人で争った。自分よりも体格の大きい選手が多く、当初の目標は3位以内。「精いっぱい泳ぎ、どれだけ通用するか確かめたい」という心境で臨んだ。スタートダッシュに成功して勢いに乗り、41秒50で見事1位を勝ち取った。

 練習はマスターズへの出場を目指す仲間たちで集まり、週3回ほどのペースで続けている。「幅広い世代と練習し、いつも刺激をもらっている。自分一人で練習していたら今回の結果もなかった」

 泳ぎの姿勢を保つため、体幹トレーニングも欠かさない。妻が作るバランスのいい食事も健康維持の源という。

 旧山の手中(同市山の手町)の2年生だった頃に水泳部に入って以降、ずっと競技を続けてきた。別府市役所に勤務していた20代半ばごろに市内で水泳クラブ(現在は閉鎖)を開いてからは、指導に軸足を移した。市営温水プールで2018年から指導。小学生から成人までを対象に週4回、教えている。「全く泳げなかった子どもが、成長して徐々に泳げるようになっていく姿を見るのがうれしい」と目を細める。

 今後も体の動く限り、競技と指導を続けていく考えだ。「仲間と一緒に水泳を楽しみながら、大会への出場を目指していきたい」と目標を語った。

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