<カメラスケッチ>酷暑の線路点検 松浦鉄道の保線員「異変見逃さない」

暑さによる線路のゆがみがないか点検する松浦鉄道の保線員=伊万里市山代町

 佐賀県内で気温35度を超える猛暑日が続いた今年の夏。伊万里市や有田町を通る第三セクター松浦鉄道(MR、本社・佐世保市)では、線路を管理する保線員が点検作業に汗を流している。鉄のレールは高温になると伸びてゆがみが生じ、運転に支障が出る恐れがあるためだ。

 MRは6月10日~9月10日に暑さ対応の特別巡回をしている。毎日午後1時にレールの表面温度を測り、45度以上になるなどした場合は線路に異常がないか調べる。運行中の列車に乗っておかしな揺れがないか確認したり、レールの状態を目視点検したりして、異変を見逃さないようチェックする。

 今年は18日現在で22回巡回を行い、異変は確認していない。暑さによりレールにゆがみが起きるのはまれで、「異変の兆候を察知して未然に防ぐのが私たちの仕事ですから」とベテランの保線員。

 ただ、暑さは年々厳しくなり、自然災害も増える傾向にある。これからも炎天下や風雨の中、保線員は運行の安全を守るため現場へ向かう。(青木宏文)

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