長崎県と久留米工業大 UIターン就職で連携協定  次世代産業の人材確保へ

協定書に署名する今泉学長(左)と大石知事=長崎県庁

 長崎県は21日、久留米工業大(福岡県久留米市)と学生のUIターン就職支援に関する連携協定を結んだ。全国でも珍しい航空機関連学科などがある同大から、次世代産業に必要な理系人材の育成・確保を目指す。
 同大は、航空機や自動車関連分野を学ぶ交通機械工学科のほか、機械システム工学科、情報ネットワーク工学科などがある。本県出身の学生は5月1日時点で80人(全学生の5.7%)が在籍している。
 県は、航空機関連産業を基幹産業に育成することを目指している。2019年度からは航空機関連の学科がある県外大学の学生に県内企業を紹介するセミナーを開催。久留米工業大でもほぼ毎年実施し、今年は同大卒業生5人が県内に就職した。今後は企業情報の発信を半導体や情報サービス分野にも広げる。
 県庁で締結式があり、大石賢吾知事と同大の今泉勝己学長が出席。大石知事は「多様な学科が設置されており、いずれも本県で不足している分野の人材。本県を就職先として選んでもらえるように協力して取り組みたい」、今泉学長は「近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成にも力を入れている。多様な分野で活躍できる学生を送り出したい」とそれぞれ述べた。
 県によると、例年県内の高校を卒業した大学進学者の6割以上が県外を選択。うち3分の1程度が福岡の大学に進学している。県は、学生のUIターン就職を促すため、福岡を中心とした大学と協力し、県内企業の情報発信に力を入れている。

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