子どもの不登校 関わり考える 保護者5人が体験談 長崎でシンポジウム

子どもの不登校との関わり方について、経験を通して意見を交換したシンポジウム=長崎市立図書館多目的ホール

 子どもの不登校に保護者や周囲の大人がどのように接するか、経験を踏まえて考えるシンポジウムが20日長崎市内であり、オンラインを含め約70人が意見を交わした。
 NPO法人子どもの権利オンブズパーソンながさき(古豊慶彦代表)主催。
 文部科学省は、けがや病気などの理由以外で年間30日以上欠席している状態を不登校と定義している。不登校の児童生徒の比率は全国的に増加。文科省の2021年度の調査によると、小中学校の児童生徒千人当たり、25.7人を占めている。「無気力、不安」「友人関係」など理由はさまざまで、対応も一様ではないことから古豊代表は「(不登校支援は)政策が一本化できないところが難しい」と語る。
 シンポには、子どもが不登校を経験したことがある保護者5人が登壇。親として抱えた不安や周囲との関わりなどについて体験を語った。子どもとの接し方では、保護者自身の理解のなさに苦しんだり、良くないと分かっていながらも子どもにプレッシャーをかけてしまったことを反省したりする意見が挙がった。
 インスタグラムなどの交流サイト(SNS)の普及が進んだことで、不登校に関する経験やフリースクールなどの情報が得られやすくなったという声もあった。
 登壇者は「(不登校を通して)子どもが選択肢を教えてくれた」、「親子であっても、血がつながっていても人生は別。お互い尊重するような気持ちで」などと感想を話した。

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