犬が失明する可能性のある『目の病気』5選 危険な症状と取り入れるべき予防策とは

犬が失明する可能性のある『目の病気』5選

ここで紹介する『目の病気』は、そのまま放置していると症状が進行し、最悪の場合には失明に至る危険性があります。愛犬の目に紹介するような症状が見られたら、早めに動物病院へ受診してください。

1.眼瞼腫瘤・腫瘍

目の瞼にできものができた場合、眼瞼腫瘤、あるいは腫瘍の可能性があります。その8割は良性だとされていますが、進行すると炎症や色素沈着を引き起こすため、早めに処置してもらう必要があります。

また悪性の場合は進行スピードが早く、みるみるうちに広がってしまい失明するだけでなく、最悪の場合、命を奪う危険性もあるので非常に危険です。

目脂が増えた、できものが瞼にある、慢性的に充血している、涙の量が明らかに増えたなどの異常が見られる場合は、早急に病院で検査してもらいましょう。

2.角膜潰瘍

目の表面にある角膜に傷がつくことで痛みや炎症が生じる角膜潰瘍は、絶対に治療が必要な病気です。何かが角膜にあたり傷ができたり、目に違和感を感じてこすったために角膜に傷が入ったり、角膜潰瘍を起こす原因は様々です。

目が充血していたり頻繁に目を掻くようになったり、あるいは目の表面が凹んでいたり傷がついているなどの症状が見られた場合は、角膜潰瘍の可能性が疑われます。

早期治療によって1週間ほどで回復することが多いですが、そのまま放置していると症状が悪化してしまい、失明する場合があります。

3.緑内障

緑内障は、眼圧が何らかの原因で上がってしまい視覚障害を引き起こす病気です。適切な治療を受けずに放置していると失明に至る恐れもあるので、早期発見、早期治療が重要です。

充血や涙の分泌量が増えるなどの症状が見られたり、片目の眼球だけが大きいなどの異常が見られる場合は、緑内障が疑われます。

緑内障は眼圧が上がることで起こる病気ですが、早期発見し適切な治療をしなかった場合は眼圧が正常値に治まることはありません。つまり、一度視力を失ってしまうと元に戻らないので、早めに治療を開始する必要があるのです。

4.白内障

老犬によく見られる白内障は、目が白く見えたり、視力が衰え日常生活に支障がで始めるといった異変が生じます。

水晶体が白く濁ることで目が見えにくくなる病気ですが、悪化してしまうと網膜剥離などを引き起こし、突然失明する危険性もあります。

手術によって視力を取り戻せるケースもありますが、症状の進行をできるだけ遅らせるような治療していく方法が一般的です。どちらにせよ、早期発見と治療が重要となります。

5.ドライアイ

涙の量が少なくなるなどの異常が生じ、眼球が乾いてしまうドライアイは、目が乾くことで眼球が傷ついたり、視覚障害などを併発するリスクが高まります。

明らかに目の表面が乾いていたり、目やにが増えたり、充血する頻度が高くなるなどの症状がよく見られます。最悪の場合、眼球が傷ついて失明してしまうなどの危険性もあるので、軽視せずに点眼などの治療を受けましょう。

犬が『目の病気』で失明しないよう取り入れるべき予防策は?

犬の『目の病気』は予防が難しいとされています。しかし、生活習慣に気をつけることで目の健康を維持し、病気を発症するリスクを下げることは可能です。

愛犬が目の病気で失明しないよう、以下のような予防策(生活習慣)を取り入れましょう。

  • 目に刺激を与えないよう気をつける
  • 消化に良い食事を意識する
  • 栄養バランスの取れた食事
  • 適度な運動
  • 水分補給を定期的に促す

目に刺激を与えないようにすることはもちろん、生活習慣を改善し健康的な生活を心がけることが重要です。

また、目に異常が見られたらすぐに病院へ連れて行き、早期発見、早期治療を受けることが進行を防ぎ、目の健康をできる限り維持するポイントとなります。

まとめ

いかがでしたか。犬の目の病気は、悪化してしまうと失明に至る危険性を持ちます。愛犬が高齢期になっても元気に生活できるよう、目の健康には気を配りながら、異常が見られたらすぐに動物病院で診察してもらいましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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