地域の地蔵に感謝し子どもの無病息災を願う伝統行事「地蔵盆」が8月23日、福井県小浜市で営まれた。主役の子どもたちは祭壇に祭られた地域で受け継がれている地蔵を前に、太鼓やかねを鳴らし住民に参拝を呼びかけた。
地蔵盆は、子どもが主役の伝統行事。若狭地域で行われ小浜市内では特に西津地区が盛ん。同地区内の会館やガレージなど約20カ所で営まれた。
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子どもたちは数日前から地域の地蔵を洗い、絵の具を使ってカラフルに“お色直し”するなど準備を進めてきた。
西長町会館(同市北塩屋)には、ササや「南無地蔵大菩薩」と書かれた五色旗などが飾られ、幼児から小学5年までの15人が集まった。かねを打ち鳴らし、道行く大人に参拝とさい銭を呼びかけた。最年長の男児は「(コロナ禍で)地蔵盆は久々。すごく楽しみにしてきた」と笑顔で話した。
子どもたちは水鉄砲や水風船を携え、他の地域の五色旗の奪い合いにも熱中。まちなかには子どもたちのにぎやかな歓声が響いた。