児童虐待事案を想定 合同で対応訓練 児童相談所と長崎県警

女児役(左から2人目)と母親役(右から2人目)を引き離す児相職員ら=長崎市、県警察学校

 長崎県長崎こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)と県警は23日、長崎市小江原5丁目の県警察学校模擬家屋で、児童虐待事案を想定した対応訓練を合同で実施した。
 関係者約30人が参加。小学3年の女児が学校を長期欠席し、家庭訪問時に担任が女児の顔のあざを確認したなどとして、児相が立ち入り調査したが面接に至らなかったと想定。強制的に家庭に踏み込む臨検と捜索の訓練をした。父母が応じない場合の対応や、女児を保護するまでの手順を確認した。
 訓練後、県警生活安全部の平井隆史部長は「任務分担ができていたのはよかったが、危険箇所への配慮が足りなかった」と総括。訓練で母親役が包丁を手にする前に、最悪の場合を想定して危険物がある場所に職員を配置する必要性があったと指摘した。
 県によると、昨年度の児童虐待に関する相談対応件数は1084件(速報値、前年度比110件増)で過去最多。県こども政策局の浦亮治局長は「近年、千件前後の高止まりの状態が続いている」と話し、連携強化の重要性を述べた。

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