幼なじみの女性からSNSで送金依頼、実はなりすまし コンビニ経営者らが「ロマンス詐欺」防ぐ

感謝状を受け取る服部和子さん(中央)と山川隆さん(右)=佐用警察センター

 恋愛感情や親近感を抱かせて金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の被害を防いだとして、兵庫県警たつの署はファミリーマート佐用町店の経営者、服部和子さん(74)と佐用警察センター警察官友の会会長の山川隆さん(70)に感謝状を贈った。

 同署などによると、7月15日午前9時半ごろ、ベトナム人の男性(21)が電子マネーを「10万円分購入したい」と来店した。接客した服部さんが用途を聞くと「来日した友人が税関に引っかかり、荷物を受け取るために電子マネーが必要」などと説明したという。

 服部さんは詐欺を疑い、「警察に相談した方がいいですよ」と助言。たまたま客として来店していた山川さんも「税関で電子マネーを使うことはない」などと説得し、警察に通報した。

 同署によると、男性は幼なじみの女性をかたる何者かとフェイスブックでやりとりをしていた。男性は実際の女性と長い間会っておらず、なりすましに気付かなかったという。

 服部さんは「高額な電子マネーを買うお客さんには『大丈夫?』と優しく声かけするようにしている。被害を防げてよかった」とほっとした様子。山川さんは「この経験を知人らに共有し、特殊詐欺への注意を促したい」と話した。(真鍋 愛)

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