鹿沼市議選控え“活動活発化” 衆院選栃木2区出馬予定の現職2人

鹿沼市議選のポスター掲示場。次期衆院選を見据え、自民、立民の現職衆院議員2人が応援に入っている=23日午後、鹿沼市下田町2丁目

 27日告示、9月3日投開票の鹿沼市議選(定数24)を控え、次期衆院選栃木2区に立候補予定の立憲民主党現職福田昭夫(ふくだあきお)氏(75)と自民党現職五十嵐清(いがらしきよし)氏(53)が運動を活発化させている。2区で最も人口の多い大票田とあり、両者は衆院解散・総選挙を見据え、しのぎを削る。10月に衆院任期が折り返す中、両陣営の思惑や現状を探った。

 「選挙は勝たなきゃ意味がない」。17日夜、福田氏は同市内で行われた市議選候補予定者の事務所開きに駆け付け、気勢を上げた。

 市議選では立民が公認・推薦した3人のほか、距離が近い無所属3人の当選を目指す。福田氏は「極めて重要な戦い」と話し、自身の後援会も動員して応援に入る。

 対する五十嵐氏は、自民公認の8人に加え、保守系6人を支援。鹿沼は地元事務所を構える拠点でもあり、市内の所々に市議選候補者との2連ポスターが並ぶ。各候補の決起集会で支持を訴え、告示後も「できる限り応援に行く」と臨戦態勢だ。

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 一騎打ちとなった2021年の前回衆院選では福田氏が勝利して6選を果たし、約9千票差で敗れた五十嵐氏は比例復活で初当選した。

 自民は福田氏に3連敗。2区は県内5小選挙区のうち唯一、議席を失ったままだ。鹿沼市長選でも元民主党県議で現職の佐藤信(さとうしん)市長(76)に推薦候補が連敗している。自民県連幹部は「どちらも次は絶対に負けられない」と力を込める。鹿沼の党組織は以前から一枚岩とは言えない状況にあり「市議選が事態打開の糸口になれば」(自民関係者)との声も聞かれる。

 一方、福田氏にとっても鹿沼の票の重みは増している。2区の他市町で“自民回帰”の動きが見られるためだ。4月の県議選ではさくら市・塩谷郡、日光市、鹿沼市の計7議席のうち6議席を自民系に占められ、かつて選挙で支え合った見形和久(みかたかずひさ)塩谷町長も自民と接近する。

 関係が良好な佐藤市長や、立民県連選対委員長の松井正一(まついしょういち)県議がいる鹿沼は「絶対に票を減らせない最重要地区」(後援会関係者)と目されている。

 県内小選挙区の議席独占をもくろむ自民と、党勢拡大のため2区の議席を死守したい立民。来年予定される市長選を含め、鹿沼では今後両党による激しい戦いが予想される。

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