純白の羽に金色の光輪― 栃木でひそかな話題の「交通天使」 その正体は...?

天使に扮して交通安全を呼びかける大友警部補

 【栃木】制服の背中に純白の羽。額の上には金色の光輪-。地元ケーブルテレビの番組で交通安全を訴える栃木署員の姿が市内でひそかな話題を呼んでいる。その名も「交通天使」。使命は「市民に交通安全のメッセージを届けること」に他ならない。天使に扮(ふん)する同署交通総務課係長の大友伸也(おおともしんや)警部補(43)は、羽とともに強い決意を背負っている。

 「一時停止ビーム! シートベルト着用ビーム!」。プラスチックのステッキを持った交通天使がカメラ目線で視聴者に呼びかける。ケーブルテレビ(樋ノ口町)で、7月まで放送していたスポット番組「安全安心だより」の一こまだ。

 大友警部補が「一人でも多くの人に親しんで見てもらいたい」とひらめいたキャラクターが交通天使だった。地域住民からは「事故に遭わないよう気を付けます」と声をかけられ、評判は上々という。

 交通部門3年目の大友警部補は「警察の堅いイメージで当たり前のことをやっても市民の印象に残らない」と痛感していた。もともと人を笑わせたり、喜ばせたりすることが好きなムードメーカー。本年度から番組出演を担当した際に「事故防止のためなら何でもやろう」と自ら漫才やコントの台本を書き、天使と化した。

 衣装は段ボールやフェルト、針金、カチューシャなどを使って、6歳の娘と一緒に作った。近日、第2弾の放映が始まる。「地道な活動が事故防止につながれば。機会さえあればどこにでも飛んでいきます」。今後は市内のイベントなどにも羽ばたいていくつもりだ。

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