気温急上昇「予測できなかった」 山形十中校長、会見で陳謝

細谷直樹学校教育課長(左)と山田博志山形十中校長が状況を説明した記者会見=山形市役所

 山形市の山形十中で24日、体育祭の練習中、生徒13人が熱中症の症状を訴え、病院に運ばれた。この日は午前でも気温は急激に上昇。同校は見通しの甘さを釈明した。今夏は、米沢市の女子中学生が死亡した事案も発生しており、異常な暑さを踏まえ、医療関係者は屋外活動の中止や延期などの判断が必要と指摘。保護者からは炎天下での練習実施に、もう少し慎重な判断を求める声もある。

 「急激な気温上昇を予測できなかった。生徒の安全を守れず、申し訳ない」。山形市教育委員会の緊急記者会見で24日、山形十中の山田博志校長はこう陳謝した。25日の練習は取りやめ、「暑さ指数をこまめに測定し、体育祭の日程延期も念頭に、練習内容を検討する」と述べた。

 市教委によると、体育祭は31日と9月1日に開催予定で、練習には全校生徒のうち611人が参加した。午前8時半ごろから校庭で、リレーや障害物競走の練習をしていた。開始約50分後、全体で休憩をしていた同9時20分ごろから、3年生9人、2年生3人、1年生1人が頭痛や手足のしびれなどの症状を訴えた。

 米沢市で女子中学生が死亡した事案を受け、市教委は先月31日、運動が「原則中止」とされる暑さ指数が31度以上の場合、屋外での活動や運動を原則行わないよう、全小中学校に通知していた。同校でも連日の猛暑を受け、例年午後に行っていた体育祭の練習を午前に変更し、休憩時間も設けた。スポーツ飲料や、凍らせた飲料の持参を促すなどの熱中症対策を講じていた。

 この日、同校では午前8時に暑さ指数を確認。5段階中3番目で運動については「警戒」に当たる27.7度だったことから、山田校長は屋外での練習実施を決めた。開始後の9時にも確認し、「厳重警戒」レベルの28.7度に上がっていたが、練習は続行可能と判断した。生徒が熱中症の症状を訴えたことから、10時にも確認したところ、気温は9時の段階より6度上昇し、38.1度。暑さ指数は運動を「原則禁止」とする32.0度となっていた。

 市教委は24日、30分おきに暑さ指数を確認するなど、熱中症対策を各校に通知した。細谷直樹学校教育課長は「行事の開催も、延期や短縮などの対応を呼び掛ける」と話した。

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