【独占インタビュー】ブライトン三笘薫が自身の言葉で語る「新シーズン」と「“あの”ゴール」

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新シーズンの幕開けを告げるルートン・タウン戦でチームのファーストゴールをアシストし、続くウルブス戦では人々の記憶に残る鮮烈なドリブルゴールを決めてチームの大勝に貢献した――。

プレミアリーグ2年目を迎えた三笘薫は、このうえないスタートを切った。充実の時を迎える三笘がインタビューに応え、新シーズンについて、そして“あの”ゴールについて語ってくれた。

――昨季の活躍を受け、相手に研究、対策をされることもあると思います。それに対して、技術的な面でこのオフに向上を図ったこと、あるいは今とくに意識していることはありますか?
「最近、とくに対策されているというシチュエーションは多くないっていうのと、ほかにもいい選手がたくさんいるんで、僕だけにそういう風な状況になっているわけじゃないっていうのと。技術的には急に多くが向上することはないですけど、フィジカル的にいろんなところに向上させるポイントがあることを今シーズンのなかでもいろいろと発見することができて。そういうところに取り組みながら改善を練っている。試合の中でも自分でいろいろと考えながら……判断のところだったり、力の出しどころだったりっていうのを考えながらプレーしています」

――昨季のSPOTV NOWの取材では、デ ゼルビ監督から「得点やアシストを増やす」、「チームとしてはポゼッションしながら、個人としては違いを作る。とくに背後への動き」が求められていると語っていました。2年目を迎えた今季、新たに求められていることは何でしょうか?
「去年にできていなかったことを、よりできるようにしないといけないっていうのと、去年以上の成績を残すっていうところでは、やっぱり毎試合結果を出さないといけないですし。よりゴール前に入っていくところだったり、一つひとつのプレーの精度を上げていかないと厳しいと感じているので。そういうところに取り組んでいる現状ですね」

――新加入選手についてお聞きします。ジョアン・ペドロ選手や(レンタルバックの)シモン・アディングラ選手といった若い選手や、マフムート・ダフート選手という経験のある中堅選手、そしてジェイムズ・ミルナー選手のようなベテランも加わりました。それぞれチームにどんな影響を与えていると思いますか?
「若い選手は本当にすごいクオリティを持っています……もちろん(チームの)全員が素晴らしいクオリティを持っていますけど。その若さであのクオリティっていうのはなかなかないものを持っていると思います。もちろん負けていられないですし、ダフート選手だったらIQのところが素晴らしい選手なので、より自分も生きるかなっていうところもあって。ミルナー選手は見てわかるとおり、闘志だったりを見せるプレーヤーですし。そういうところでチームの雰囲気を作ることもしてくれています。運動量のところでも素晴らしいものを持っているので、素晴らしいチームができるんじゃないかと思っていますね」

――新加入選手の中で、とくに盛んにコミュニケーションを取っている選手はいますか?
「ダフート選手だったり、シモン・アディングラ選手、もちろんジョアン・ペドロ選手もよく話したりはしますね」

――アディングラ選手は(ユニオン・サン・ジロワーズへのレンタルを経てブライトンへ帰還するという)経歴的にも、ポジション的にも共通点が多いと思いますが、普段はどんなコミュニケーションを取っていますか?
「プレーのことに関してもそうですし、ユニオンのことに関してもそうですし……共通点はあるので、そういうところで話が盛り上がったりはしますけど。すごい細かいところを話すっていうよりも、サイドのところだったり、ユニオンのことを多く話しています」

――今季はヨーロッパリーグもあり、かなり過密な日程になってくると思いますが、どんな対策をしようと考えていますか?
「毎試合90分出ることはないと思うので、そのうえで自分のなかでメリハリをつけながらコンディショニングを整えること……試合に出たときに100パーセントで臨めるコンディションを作ること。チーム全員でいい雰囲気を作りながらローテーションをして戦っていくことになると思うので、選手全員が同じ高いレベルでプレーできるようにしていきたいなと思っています」

――プレミアリーグのここまでの2試合を振り返ってもらいたいと思います。開幕のルートン・タウン戦はどんな気持ちで臨みましたか?
「開幕戦ですけど、いつもどおりの1試合だと思って臨んでいました。対戦相手も昇格組で戦い方も変わってくるっていうのは認識していたので、そのうえでいつもとは違うようなプレーだったり、求められていることを考えながらプレーしていました」

――今季のブライトンの初ゴールをアシストしたわけですが、試合を終えてどんな心境でしたか?
「自分のコンディションがまだまだ上がっていないなと。その中でも課題だけではなく、いいところも出てきた試合だったので、それをどんどん上げていこうと思う試合でした。クロスが1個、得点につながったので、そういう形も増やしていければなと思っています」

――あの試合は前後半ともにアディショナルタイムが7分ほど取られていました。今季のプレミアリーグはアディショナルタイムが長いことが話題になっていますが、それに対して三笘選手の中で変えていること、意識していることはありますか?
「いや、とくにないですね。その時の長さによってプレーは変えますけど、アディショナルが10分だからという見積もりをしながらプレーしているわけではないです」

――ウルブス戦のゴールは日本でもかなり話題になっていますが、ご自身でも映像を振り返ったりはしましたか?
「見ました、見ました。はい」――あのプレーについては、どのタイミングで「自分で行こう」と判断したんでしょうか?
「1人目を抜いたあとですね」

――カットインしてネルソン・セメド選手に手をかけられましたが、それをはがした時から自分で行こうと考えた?
「そうです」

――カットインした時にフリオ・エンシーソ選手が左に開いて、それによって相手の右センターバックが引っ張られて両センターバックの間にスペースが空きました。あの連携は、トレーニングしているものだったんですか? 偶発的に生まれたものだったんでしょうか?
「偶発的ですね。毎回その動きを求められているわけではないので。その状況は偶発的ですけど、うまく相手選手を釣ってくれてスペースを空けてくれた。そういう動きをする時もあれば離れていく時もありますし、近くで……もともとはワンツーというか近くで受けようとしていたので、僕がカットインした時に動きを変えてくれたんだなって思っています」

――ゴール後のセレブレーションが普段以上に感情がこもっている印象を受けましたが、それは手応えがあったからでしょうか?
「まあ、そうだと思います。その時、勝手にそういう風になっていたので。その時の(気持ちの)ままですね」

――後半開始早々にブライトンは3点を追加しました。その最初のゴールをアシストしましたが、あのパスの選択はどのタイミングでしたのでしょうか?
「(ボールが)跳ね返ってきて、シュートを打つか、中を見た時に後ろに(ペルビス)エストゥピニャン選手がいて声も聞こえましたし、シュートを打つ前の段階で変えたっていう感じですね」

――あの試合ではエストゥピニャン選手と互いにアシストした形になりましたが、試合後にエストゥピニャン選手とどんな言葉を交わしましたか?
「いやもう、そんなすごい(いろいろと)言ったわけではないですけど、『ナイス』というか、『よくやった』というような形……まあ勝った時はいつもそんな感じです」

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