中国の水産物輸入禁止 広島県内のカキ業者は将来的な影響を懸念 処理水の海洋放出

東京電力福島第一原発の処理水の放出をめぐって、中国は日本からの水産物の輸入を全面禁止すると発表しました。広島県内では、カキの輸出の今後への影響が懸念されています。

東京電力が24日、福島第一原発の処理水の海洋放出を始めたのを受け、中国の税関は、日本の水産物の輸入を全面禁止すると発表しました。

県の水産課によりますと、県内で全面禁止の影響を受ける可能性のある水産物としては、冷凍の殻付きカキなどが挙げられるということです。

2021年度の県の統計では、冷凍殻付きカキの中国への輸出は、台湾・ベトナムに次いで3位となっています。

県内でカキの輸出を扱っている尾道市のクニヒロによりますと、毎年、シーズンが3月から5月なのでことしの影響はないといいます。また、売り上げに占める海外輸出の割合自体が全体の5%と小さいため、大きな影響はないものの、将来的な影響を心配しています。

クニヒロ 里信正彦 執行役員
「処理水の問題、報道では30年くらいかかるんじゃないかということになっているが、(中国は)世界でも有数のマーケットなので、これが30年続くとなると、当社の海外戦略も大きく見直しが必要になってくる可能性がある」

当面は、10都県からの水産物の輸入禁止を発表した香港の動向に注目したいとしています。

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