内視鏡検査で心停止、67歳男性死亡 市立病院が遺族に3800万円支払い和解へ 兵庫・加西

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 兵庫県加西市の市立加西病院で2020年、患者が治療中に心停止に陥り10日後に死亡する医療事故があり、同病院は25日、患者の遺族に対して、解決金3800万円を支払い和解する方針を明らかにした。9月1日に開会する市議会定例会に議案を提出する。

 病院によると、患者の男性=当時(67)=は20年3月、総胆管結石の治療で内視鏡検査を受けた。その際、心拍数の低下などを示す数値がモニターに表示されたにもかかわらず検査を続け、男性は心停止に陥ったという。病院は心肺蘇生処置を行ったが、低酸素脳症となり10日後に死亡した。

 遺族は22年8月に「窒息状態であったにもかかわらず適切な呼吸回復措置を怠るなどしたため死亡した」として、約4200万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴していた。

 病院は「モニター上の数値が低下しても検査を続けた。即座に検査をやめて救命処置をするべきだった。死亡という重大な結果を招き、裁判所の和解案を受け入れる」とした。(敏蔭潤子)

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