県内自治体初 那須塩原市が新庁舎設計を隈研吾さん事務所などに委託

「安井・隈設計共同体」が提案した新庁舎のイメージ図の一部

 栃木県那須塩原市がJR那須塩原駅西口近くに2027年度の開庁を予定している新庁舎で、同市は25日、同庁舎建設の基本設計・実施設計の業務委託契約を、東京・国立競技場の設計に関わった建築家隈研吾(くまけんご)さん(69)の設計事務所などの共同体と結んだと発表した。履行期間は28日〜25年5月30日で、契約額は約2億7100万円。隈さんが県内自治体の庁舎の設計に関わるのは初めて。

 事業者の選定は公募型プロポーザル方式で5〜8月に実施し、5団体から応募があった。市の選定委員会が技術提案や環境への配慮などについて検討し、安井建築設計事務所東京事務所(東京都千代田区)と隈研吾建築都市設計事務所(同港区)でつくる「安井・隈設計共同体」を選出した。

 市によると、共同体は庁舎を核とした短冊状のスペース配置を提案。地域ブランドである経木をモチーフにしたひさしのデザイン「キョウギルーフ」や、雨水かん養機能などを有する広場、強風を防ぐための防風林を配置するなど、景観や環境に配慮していることなどが高く評価された。

 隈さんは日本を代表する建築家で、自然素材を生かしながら日本の伝統を現代的に表現する作風で知られる。県内では那珂川町の馬頭広重美術館などを手がけている。

 市の基本計画によると、新庁舎建設の概算事業費は113億4600万円。市は来年4月末までに基本設計、25年5月30日までに実施設計を済ませ、25年度中に着工したい考え。

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