屋内型レンタル収納広がる 富山市中心に、防犯性高く

商業施設内に開業したレンタル収納スペース=富山市のマルート

 富山市を中心に屋内型のレンタル収納スペースが広がっている。屋外のトランクルームと比べて防犯性が高く、日用品から季節物、趣味のグッズなどさまざまな形で利用されている。市中心部ではマンション建設が相次ぎ、手軽に利用できるレンタルスペースは今後、人気を集めそうだ。

  ●マルート内に開業

 富山駅前の商業施設「マルート」の一角に18日、レンタル収納スペース「蔵Rent(クラレント)」がオープンした。北陸初出店で、約232平方メートルの敷地に85室を備える。

 部屋は0.5~1.5畳の6種類を用意し、月額使用料は2728~1万978円。インターネットから24時間申し込みができ、カードキーと部屋の解錠番号が発行される。無人営業で、防犯カメラが設置されている。営業時間はマルートに合わせる。

 暖房器具やタイヤ、洋服といった季節ごとに利用する物品や日用品などの持ち込みを想定する。駐車場と店内をつなぐ通路沿いにあるため、運搬の負担が少なく、他の客の目にも触れにくい。

 運営するイオングループのリフォームスタジオ(千葉市)によると、富山店は全国29店舗目。これまで都市部の商業施設内を中心に開業している。

 同社の担当者は「子どもの独り立ちや定年退職など、ライフスタイルが変わる40~60代が荷物を整理して利用している。富山でも十分にニーズがある」と話した。

 マルートを運営する富山ターミナルビルの担当者は、駅周辺でマンション建設が相次いでいるとし、「一軒家から移り住んだ高齢者は荷物が多く、収納する場所が必要となるはずだ」と話した。

  ●200室埋まる

 アースバウンド(高岡市)は、2016年に富山市清水元町に屋内型トランクルーム「スマートBOX」を開設。以降、店舗を増やして同市で3カ所、高岡市で1カ所を構え、約200室のトランクルームは、ほぼ満室となっている。

 24時間入室でき、趣味の用品や洋服などは利用を始めると長期に及ぶ。一方で、出張や留学などに伴う短期の利用もあるという。

 嶋秀一社長は当初、富山で需要があるか不安だったというが、「予想以上にスムーズに埋まった。手頃な場所があれば、店舗を増やしたい」と話した。

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