地震の備え

 来月1日の「防災の日」を前に、県内の地震について調べていたところ、思わぬ発見があった。雲仙断層群の西側付近に長崎市東部の自宅があり、30年以内に震度6弱以上に見舞われる確率が「3~6%」と県内では割と高い方のエリアに含まれていた▲昨年、自宅の一部が土砂災害警戒区域に入っていることも判明。今後は雨や風だけでなく、地震のことも頭に入れて我が家の防災対策を練る必要が出てきた▲防災科学技術研究所のホームページでは、地域の地震リスクをおよそ250メートル四方の単位で確認できる。自宅、職場、学校…、地図を拡大すると、同じ生活圏内でも地盤の強弱などによって確率に差があることが分かる▲県内では近年、地震による大きな被害は起きていないが、江戸時代までさかのぼると各地で規模の大きな地震が発生。島原半島や壱岐・対馬では死者や家屋倒壊などの被害が記録に残っている。油断は禁物だ▲台風のように天気予報などで事前に把握できない地震とどう向き合うか。過去の体験から学ぶべきことは多い▲今年の防災の日は関東大震災から100年。災害に強いまちづくりは各分野で進んだはずだが、地域コミュニティーの希薄化や高齢化など新たな課題もある。先人が残した教訓を胸に刻み、物心両面から足元を見つめ直したい。(真)

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