高校生平和大使が国連から帰国 長崎市内で報告会 「平和のバトン」次世代へ

スイスから帰国し、現地での活動を報告する高校生平和大使=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

 スイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れ、約62万5千筆の反核署名を提出した第26代高校生平和大使が26日、長崎市内で帰国報告会を開いた。現地では軍縮会議の傍聴や各国外交官らと交流し、高校生は核兵器廃絶を訴えるスピーチも披露。平和な世界の実現に向け、国を超えた連携の必要性などを学び、「平和のバトン」を次世代へつないでいく役割を再確認した。
 新型コロナウイルスの影響で平和大使の国連欧州本部訪問は4年ぶり。16都道府県から選ばれた22人が今月19~26日の日程で渡欧した。報告会では、現地で行ったレジンバル国連軍縮部ジュネーブ事務所長との懇談内容も紹介。同氏は「平和大使の活動は世界を変えることができる」と激励し、被爆者が減っていく中で「(若い世代が)被爆者のメッセージを受け継ぎ、伝えていかなければならない」と述べたという。
 報告会には20人が出席した。本県選出の大澤心春さん(16)=鎮西学院高2年=は「核兵器廃絶と被爆者の思いを世界の方々に発信できたことは自分にとって自信になった」、杉原絢乃さん(16)=県立長崎北陽台高2年=は「広島・長崎の被爆の実相を忘れさせず、被爆者から受け取った平和のバトンをつなぐ。この大きな役割を果たしていきたい」とそれぞれ語った。

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