女子選手へのキスで波紋呼ぶスペインのルビアレス会長、ラ・リーガクラブも非難し入場時に発起

[写真:Getty Images]

ラ・リーガの各クラブがスペイン女子代表FWジェニファー・エルモソ(パチューカ/メキシコ)へ寄り添う姿勢を見せた。

【写真】セビージャ、RFEF会長を非難するメッセージが書かれたTシャツを着て入場

大きな波紋を巻き起こしているスペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長によるキス問題。20日に行われたオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)決勝戦後、セレモニー中にエルモソとハグをかわしたのち、頭を掴み、唇へとキスをした。これに対し、各所からは非難の声が上がっていた。

一時は謝罪も自身の正当性も主張し、さらには「辞任するつもりはない」と強く宣言したことで問題は再加熱。RFEFが25日にエルモソと所属する労働組合のFUTPROに対し、「会長の名誉を傷つける発端となった」として法的措置を取る声明を発表すれば、対して翌日には国際サッカー連盟(FIFA)がルビアレス会長に暫定的な資格停止処分を下すと発表するなど、事態は依然混沌としている。

この問題に対しては選手個々人が会長へ非難の声をあげていたが、ついにはラ・リーガのクラブも行動を起こした。

セビージャは26日に行われた第3節、ホームでのジローナ戦で、会長を非難する「#SeAcabó(終わってる)」と書かれたTシャツを着て選手が入場した。

また、カディスは同日のホームでのアルメリア戦にて、「TODOS SOMOS JENNI(我々はみなジェニーとともに)」の書かれた横断幕を持って入場。エルモソに寄り添う姿勢を示した。アメリカ『ワシントン・ポスト』は「男女サッカーに団結のメッセージを送るという、クラブとしてすべきことをしただけだ」と、ルイス・エルナンデスの言葉を伝えている。

スペインの女子W杯優勝に水を差した問題。会長の辞任が最もスマートな解決方法に思われるが、決着まではいまだ混迷を極めそうだ。

© 株式会社シーソーゲーム