「人口減少時代を乗り切る」 DX推進で意見交わす 長崎・大石知事と県内企業

県内企業のDXについて議論した意見交換会=長崎市田中町、イシマル本社

 長崎県の大石賢吾知事と県内企業の意見交換会が18日、長崎市田中町のイシマル本社であり、「人口減少時代をデジタルで乗り切る」をテーマに、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)について議論した。
 大石知事が就任後から各地で開く県民との対話集会「こんな長崎どがんです会」の一環で、民間企業のオフィスでの開催は初めて。DXに積極的な企業やIT企業、支援機関から8人が参加した。
 県内のDX推進事例として、建築資材販売業LTU(大村市)の原田岳社長と福徳不動産(長崎市)の福島卓社長が、自社の取り組みを報告。両社とも紙書類中心だった業務をデジタル技術で効率化するシステムを独自に構築し、外部販売して新たな収入源にまで育てた経緯を紹介した。
 企業のDXを支援するながさき地域政策研究所の濵崎竜之介事業推進部長は「経営トップが率先して推進しているのが特徴。情熱を持って取り組む体制を社内に作れるかが成功の鍵だ」と指摘。旅館伊勢屋(雲仙市)の草野春奈おかみは「業務効率化だけでなく、お客さまへのサービス向上にもつながれば、スタッフのモチベーションが上がり、デジタル化への理解が進むのではないか」と実体験を交えて話した。
 大石知事は「人口減でさまざまな社会インフラの維持が難しくなる中で、DXが必要となる。県としてはDX推進のみならず、県内企業が自らの課題を把握し、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回していくような雰囲気を作っていきたい」と述べた。

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