〝ムキムキ化〟藤沢五月が敬愛するカネキン、ラブコールに「光栄です」 東京で激闘、超絶肉体美を披露

登録者数43万人の人気筋肉系YouTuberカネキン(本名・金子駿=34)が27日、東京・ベルサール渋谷ガーデンで開催された国内最高峰のボディビル大会「NATURECAN PRESENTS TOKYO PRO SUPER SHOW」(東京プロ)に出場。国内、海外の強豪19選手によるメンズフィジークで、ジョーベン・サガバイン(フィリピン)に次ぐ2位に終わり、連覇を逃した。カーリング女子で22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレ藤沢五月が7月にボディメイクコンテストに出場し、カネキンのファンであることを公言している点には「光栄です」と笑顔を見せた。

トップ5がステージに立った結果発表。5位から巡に表彰され、カネキンとジョベンが残った。優勝者のコールはジョーベン。両ひざをつき、床をたたいて喜ぶ勝者に、カネキンは拍手を送り続けた。無念の表情を浮かべながらも「2位は負けです。肉体的にも精神的にも懸けていたので悔しい。ただ、素晴らしいパフォーマンスを見せたジョーベンがあんなに喜ぶ姿を見たら、嫌いにはなれないですよね」と、潔く敗北を認めた。

体格に主眼を置いて総合的な肉体美を競い、過度な筋肉量は減点対象にもなるフィジーク。一人ずつ演技を行い、カネキンは審査員の評価が高い8選手が並び演技するファーストコール、さらに4選手によるトップ4でもセンターに座った。センターに近い程評価は高く、演技中のジャッジコールによるポジション変更は、競技の見せ場だ。トップ4では当初サイドに位置。センターの寺島遼と入れ替わる際は大きな歓声が起こった。「寺島選手はここまで来たのか、と驚きました。彼は素晴らしいものを持っている。そして僕は思ったことを口にするので、選手との間にもストーリーがあるんです。お互いのファンが盛り上がってくれたらうれしい」と振り返った。

観客席2000席が完売したことは、各アマチュア大会への参加者が増加するなど近年のフィットネス人気もあって珍しくはない。ただし、7月22日に藤沢五月がボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場し、ムキムキに激変した姿が関心が薄い層も含めて大反響を呼んだ。大会主催側が公式YouTubeチャンネルで公開した動画で、藤沢が筋トレへの関心とともにカネキンの大ファンであることを明かし「カネキンさん見てま~す」と呼びかけたことも話題を呼んだ。

カネキンは「すごい光栄なこと。オリンピック選手ですからね。自分の動画がモチベーションやトレーニングのきっかけになることは、とてもうれしい。正直、ビックリしましたね」と楽しそうに語った。藤沢によってボディビルに初めて関心を持った層に対しては「減量や増量、トレーニング、食事を見直すことは、自分を知ることになる。成長した自分、なりたい自分に向かう価値はとても高い」と競技の魅力を語り、「選手それぞれの情熱、ストーリーを知ることで楽しさが増す。ぜひ会場にも来てほしい」と応援の魅力も挙げた。

今大会の優勝者には11月上旬に米フロリダで開催される世界最大のボディビルコンテスト「オリンピア」への出場権が与えられる。8月に米国の2大会を転戦して準備したが、それぞれ12位、11位と想定外に低迷。2週間前に急きょコーチを変更し、大幅な見直しを敢行。連覇こそ逃したが国内トップの座は譲らなかった。

「自分の過去ベストを東京プロで見せられたことは誇りに思う。ここまで巻き返せたとも思うが、勝ちを狙っていたので、かなり(精神的ダメージは)来ています。改善点は明確なので、粘って(今年の)オリンピアを目指すのか、すぐに改善に取り組むか、冷静になって考えたい」

出場権がかかる海外の大会で今年のオリンピアを目指すかは未定。来年の出場権がかかる国内2大大会のもう一方、ジャパンプロ(11月26日、ベルサール渋谷ガーデン)には「日本を盛り上げたい」と出場に前向きだった。

ストイックに頂点を目指すカネキン。「オリンピアに出ることではなく、オリンピアでトップ5、優勝することが目標。僕もコーチも信じている。その姿はもう見えているし、絶対に実現させます。体は元気、モチベーションも高い」。柔らかい語り口と、己を信じる覚悟。藤沢がラブコールを送る理由が分かった気がした。

「東京プロ」メンズフィジークの表彰式、(左から)4位の寺島遼、2位のカネキン(金子駿)、優勝のジョーベン・サガバイン、3位の湯浅幸大、5位の佐藤正悟=東京・ベルサール渋谷ガーデン

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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