西宮市立の小中6校、卒業生1522人の情報紛失 一部から4年前報告も放置 市教委「外部流出の可能性低い」

西宮市役所=西宮市六湛寺町

 兵庫県西宮市教育委員会は28日、市立小中学校6校で卒業生1522人の指導要録を紛失していたと発表した。市教委は一部の学校から2019年夏に伝えられていたが、必要な対応をせずに放置していた。

 指導要録は児童・生徒の名前や性別、生年月日、保護者名などが記され、卒業から20年間保存するよう定められている。

 今年の夏休み中に、香櫨園小で03~10年度の卒業生964人分がなくなっていることが判明。全市立校で緊急調査したところ、ほか5校でも所在不明になっていることが分かった。

 ほかは、大社中=05年度181人▽今津小=06年度94人▽段上小=06年度75人▽浜脇小=07年度135人▽山口小=09年度73人-の5校。市教委は「誤廃棄とみられ、外部流出の可能性は低い」としている。

 市教委は19年夏に浜脇小から「所在不明」と相談を受け、改めて捜すよう指示したが、その後の確認を怠り公表もしていなかった。担当者は「速やかに公表すべきだった。不適切だった」としている。

 また各校では毎年夏休み中に保存文書が適切に管理されているか点検し、市教委に報告することになっているが、浜脇小のケース以外は「適切に管理されている」と報告され、紛失が見過ごされていた。担当者は「点検が形骸化し、報告がずさんだった」とし、今後は市教委による巡回指導の際に文書を実際に確認するとした。(山岸洋介)

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