「猛暑の影響は?」 渕上沙紀アナウンサーが広島市場を探訪

この夏は連日、厳しい暑さが続いています。広島県内の食品への影響について 渕上沙紀 アナウンサーがカメラを持って早朝の市場を取材してきました。

渕上沙紀 アナウンサー
「広島市中央卸売市場です。海産物を扱う魚市場ですが、朝3時、もうすでににぎわっています。暑さの影響、出ているんでしょうか?」

早朝の市場には、瀬戸内近海で獲れたばかりの新鮮な魚介類が豊富に並んでいるように見えますが…

仲卸業者
「ダメ。ことしは異常気象です。例年ならサンマがぼちぼち出てくるんですよね、盆過ぎたら。ことしはもう全然、出ないです。去年も少なかったけど、ことしも少ない」

仲卸業者
「貝類は弱いです。海の温度が上がっているからですかね」

猛暑で海水面の温度が上がり、魚が例年より深いところにいるため、漁獲量が少ないといいます。

さらに、台風の影響もあり、旬を迎える魚も軒並み価格が上がっているそうです。一方、お盆が明けてから漁獲量が増え価格が落ち着いてきた魚もあります。

仲卸業者
「シメダイが少し安くなってますかね。3分の1くらいになっています」

販売店
「値段が高いから、一番付加価値があるお刺身とか、にぎりずしでほとんど売ってます。一匹単価は高いですけど、おすしとかにすると安く提供できるので」

広島魚市場 末永紀生 専務
― 今後、暑さが続いたら魚の量は?
「減ります。水温が1℃上がるというのは、魚にとって十何℃上がるのと一緒なので」

渕上沙紀 アナウンサー
「続いては、中央卸売市場の青果物を扱う場所にやって来ました。まもなく午前6時になって競りが行われるということで、人が集まってきています」

青果物にも、暑さの影響が出ているようです。

広印広島青果 野菜部 小山隆之 執行役員
「夏野菜といわれているものも、これだけ気温が高いと障害が出て、商品的にもいいものがない」

夏野菜と呼ばれるナスやトマト・キュウリなどは暑さの影響で収穫量が少なく、価格が例年より2割から3割高騰しているそうです。そんな中、産地の標高が高いため暑さの影響を受けにくく、お買い得なのが…

広印広島青果 野菜部 小山隆之 執行役員
「キャベツは、お客さんに提供しやすい値段になっています。スーパーによって違うんですが、158円から98円っていうところも中にはあると思います。適度な雨も降っているので、ふつうのキャベツがこれくらいだったら、大玉傾向になっている」

一方で果物は…

新田商店 バイヤー
「例年よりは価格帯的にもちょっと上がっとるかな。広島は、ナシが雨が降らずに小さいので、例年よりみんながほしいサイズがちょっと高い」

暑さに加え、雨の少なさも影響していました。

広印広島青果 果実部 富久研司 課長代理
「夏は水が足らなくて、農家も水やりとか水の管理に苦労したんですが、しっかり水の管理してもらって今、とってもいいものが出てきていますね」

これから秋に向けて収穫時期を迎える三次ピオーネやイチジク・ナシなどは例年通り甘みも多く、期待できるということです。

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小林康秀 キャスター
「水産物と言えば福島第一原発の処理水海洋放出を受け、中国が日本からの輸入を24日から全面停止。こちらの影響も注視する必要があるという声も聞かれました」

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