3年半ぶり!中国からの団体旅行解禁 旅行関係者からは期待の声(静岡県)

8月10日、中国政府は、コロナ禍で制限していた「日本への団体旅行」を解禁しました。3年半ぶりの復活に、静岡県内の旅行関係者などからは期待の声が上がっています。

静岡の空の玄関口、静岡空港。お盆期間中、国内線の利用者は、コロナ禍前を上回りましたが、国際線は、便数が少なく、利用者は少ないままです。

日本を訪れていた中国人旅行客は、制限前の2019年、1000万人近くいましたが、2023年は6月までで、その1割にも満たない60万人ほどです。

関係者によりますと、静岡空港では、現在、中国との路線を再開する調整が続けられていて、早ければ、9月下旬から実現するとみられています。

空港内の土産店も「爆買い」の復活に期待を寄せ、準備を始めています。

(しずおかマルシェ 富士山静岡空港店 八木実 店長)

「8月から新たに中国人のスタッフを採用して現在教育中、中国便が始まったら中国の人に接客できるよう、体制を整えている」

一方、中国人の消費行動の変化を予想しています。

(しずおかマルシェ 富士山静岡空港店 八木実 店長)

「コロナ前のようには、電化製品は売れないと予想している」

そこで、力を入れているのが、お菓子や食品などの品揃え、パッケージの色にもこだわっています。

(しずおかマルシェ 富士山静岡空港店 八木実 店長)

「(今回は)お菓子が中心。中国の人はピカピカなものが好きという情報もある、爆買いというイメージがあるので、お菓子も爆買いしてほしい」

こちらは伊東市の老舗温泉旅館「陽気館」。純和風の雰囲気とおもてなしで、国内はもちろん、欧米やアジアの旅行客から高い評価を受けている宿です。外国人の宿泊者数は、2023年4月頃から目に見えて増え、7月はコロナ禍前を上回ったといいます。

(陽気館 稲葉明久専務)

「京都や大阪は楽しかったが混んでいて疲れたし暑いし、ここに来るとゆっくりとした空間があると(SNSなどに)書いてあり、この宿を選んだ人が多い」

今回の、中国政府の団体旅行解禁に期待を寄せる一方、観光地の魅力を発信するためには工夫が必要だと話します。

(陽気館 稲葉明久専務)

「今後、中国の団体客が来たときに、伊豆にもバスが来て、観光施設、旅館ホテルにも行く。消費される金額も多くなる、ただ伊豆だけではない、いろいろなところと競争になる。いかにここを選んでもらうかが肝心」

一方、こちらは長さ400メートル、日本一長い「つり橋」として観光客に人気のスポット「三島スカイウォーク」。この施設では、6月頃から徐々に外国人観光客が増え始め、今は、韓国や香港からの団体客も多く訪れるようになったと言います。

(三島スカイウォーク広報 野田依利 さん)

「コロナ前は中国人の割合が高かったので(団体旅行が)解禁になったことで、増えてくるのを期待しています」

施設では、人気のアクティビティを体験する際、ルールと注意事項を厳守させるため誓約書を使用していますが、これまで日本語と英語表記のものしかありませんでした。

(三島スカイウォーク広報 野田依利 さん)

「コロナ禍の時は、外国人の客がいなかった、日本語と英語があれば十分だった。英語圏ではない外国人も増えているので、中国語や韓国語の対応をできるようにしている」

また、中国の団体旅行が解禁になった事を受け、アジア圏の来場客がますます増える事を想定していて、施設内の看板なども中国語の表示を増やすことを検討しています。

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