4カード連続の勝ち越し 広島カープ 週末のヤクルト3連戦 トラの背を追う あすから巨人戦

広島カープです。6連敗の後、3カード続けて勝ち越しとあきらめずにトラの背中を追う2位のカープ。先週金曜日からのヤクルトとの3連戦では、覚醒した助っ人が大活躍を見せました。

8月25日(金)

5位・ヤクルトをホームに迎えて行われた金曜日のカード初戦。カープは、初回からチャンスを作ります。2アウトから3番・小園海斗 が、レフトへのヒットで出塁すると、すかさず、相手守備のすきを突き、盗塁に成功。カープ自慢の機動力でチャンスを広げます。

打席には、8月だけで13打点とチャンスに強い4番・西川龍馬 。インコースの変化球を巧みにさばいてタイムリーヒット。電光石火の攻撃で先制点を奪います。

さらに西川を1塁に置き、この流れに続いたのは、カープの大砲・デビッドソン。「高めの球を逃がさないように打ちにいった」と放った打球はレフトスタンドへ。デビッドソンの第15号2ランホームランで試合の主導権を握ります。

打線の援護をもらってマウンドに上がったのは、今シーズン、8試合目の先発となった 森翔平 。しかし、立ち上がりから制球が安定せず3回までに3失点。試合は振り出しに戻ります。

4回以降はピンチを迎えながらも立ち直った森。今シーズン初めて7回のマウンドに上がります。しかし、先頭打者にヒットを許し、続いて送りバントを決められたところで降板。マウンドをリリーフ陣に託します。

一打勝ち越しのピンチを任されたのは、ここまで6試合連続、無失点中の 大道温貴 。代打の切り札・川端をキャッチャーゴロに仕留め、みごとな火消しでチームを救います。

さらに8回、大道に続いて3番手の 島内颯太郎 もすばらしいピッチングを見せます。先頭の3番・山田をチェンジアップで空振り三振。続く4番・村上には高めのストレートで空振り三振。5番・サンタナも154キロのストレートで仕留め、3者連続の空振り三振。完璧な内容で、ヤクルト自慢のクリーンナップにつけ入るすきを与えません。

そして、9回のマウンドに上がったのは、復活の守護神・栗林良吏 。その栗林を守備が支えます。2アウト・ランナー1塁から盗塁を仕掛けられますが、坂倉将吾 が正確な送球。ヤクルトに流れを渡しません。

全員野球でしのぎ、同点のまま迎えた9回ウラ、カープは、相手のミスをついてノーアウト・満塁の大チャンスを得ます。この場面にみごと応えたのは、扇の要・坂倉。

フォークに食らいついてすくいあげた打球は、タッチアップには十分な飛距離。3塁から代走・羽月隆太郎 が快足を飛ばし、ホームへ生還。これでカープは今シーズン、5度目のサヨナラ勝ち。ヤクルトとの3連戦を劇的な勝利で滑り出しました。

5月26日(土)

そのサヨナラ勝ちを収めた金曜日に26歳の誕生日を迎えたのが、土曜日の先発・森下暢仁 。「26歳初勝利」といきたいところでしたが、先頭から連打を浴び、ピンチを背負うと、サンタナのタイムリーなどで2点の先制を許します。

それでも打線は2回、この回の先頭、6番・デビッドソン。追い込まれてからの4球目でした。「コンパクトに打つことができた」と2試合連続、今月7本目となる一発は16号ホームラン。1点を返します。

しかし、その後も森下が、本来の投球とはいかず、直後の3回にもノーアウト・満塁のピンチ。ここからヤクルトの4番・村上、5番・サンタナと2者連続三振で2アウトまでこぎつけます。

しかし、6番・オスナに1・2塁間を破られるタイムリーヒット。さらには 末包昇大 と森下のエラーも重なってしまい、3点がヤクルトに。森下は、今シーズンワーストの5失点で26歳最初の白星とはなりませんでした。

序盤で4点ビハインドと苦しい展開になったカープ。それでも、今シーズンはここまでマツダスタジアムでヤクルトに負けていません。4回ウラ、ヒットとフォアボールで満塁のチャンスを作ると、打席には末包。詰まった当たりでしたが、ファーストの横を抜けるタイムリー。守備のミスを取り返す一打で2点を返します。

さらに2アウトながら再び満塁として2番・野間峻祥 。得点圏打率3割を超え、データ通りの勝負強さをここでも発揮しタイムリー、ついにカープが試合を振り出しに戻します。

そして、再び1点を勝ち越されて迎えた5回。ランナーを1塁に置いてデビットソン。ヒゲをそった大砲の勢いが止まりません。来日初の1試合2本目となるホームランで逆転。この試合、初めてカープがリードを奪います。

1点でもリードを奪えば、そこからは好調を維持するリリーフ陣の出番。6回には3番手の 中﨑翔太 が、1アウト・満塁のピンチを招きながらも、ダブルプレーで切り抜けます。

7回は 大道温貴 、8回は 島内颯太郎 、そして最後は 栗林良吏 が締めてゲームセット。これで今シーズン、マツダスタジアムでのヤクルト戦の連勝は「11」まで伸びました。

広島カープ デビッドソン 選手
「アリガトウゴザイマス! マツダスタジアムが本当に大好き。ここでホームランを打てるのはいいこと」

8月27日(日)

日曜日の3戦目、同一カード3連勝を狙うカープは、先発に今シーズン、まだ勝ち星のない 黒原拓未 を送ります。その黒原の立ち上がり、制球に苦しむ中、1アウト・3塁・1塁のピンチを迎えます。ここで、好調のサンタナにストレートが甘く入り、2点を失います。しかし、これは、このあと続く大接戦の序章にすぎませんでした。

そのウラのカープは、2アウト・ランナーなしから 小園海斗 が、初球打ちで出塁すると、さらにフォアボールとデッドボールで満塁とし、打席には6番の 坂倉将吾 。センターオーバーの2点タイムリーツーベース。あっという間に同点に追いつきます。

続く 堂林翔太 が、フォアボールを選び、再び満塁とすると、バッターは絶好調の 末包昇大 。逆方向への当たりは、なんと勝ち越しの満塁ホームラン。カープは2アウトから6点を奪い、一気に逆転に成功します。

ただ、ここからヤクルトが猛然と追い上げます。3回、2アウト・3塁・1塁から丸山のセンターオーバーのタイムリーツーベースで2点差に詰め寄られます。結局、黒原はこの回で無念の降板となりました。

続く4回、2番手の 森浦大輔 が、2つのフォアボールで2アウト・3塁・2塁のピンチを招くと、またもやサンタナ。痛い3ランホームランを浴び、ヤクルトに逆転を許します。

しかし、カープはここから耐えます。5回、ルーキーの 益田武尚 が、2アウト・2塁のピンチでヒットを許しますが、末包がライトから好返球。ホームを踏ませません。

6回には 大道温貴 が、1アウト・1塁から村上にツーベースを許し、1塁ランナーは一気にホームを狙います。しかし、カープの中継プレーがみごとに決まり、ここも追加点を許さず、大道は9試合連続で無失点となりました。

終盤に入り、1点を追うカープは、8回、相手のエラーから1アウト・3塁のチャンスを作ります。ここで打席には7番・堂林翔太 。「気持ちでなんとかしました」と、バットを折りながらも打球はセカンドの後方へ。ついに同点に追いつきます。

ここからは、両チームが総力戦に突入。カープは、延長11回からブルペンに残った最後の投手・アドゥワ誠 が登板。回をまたいで踏ん張り、無失点で流れを渡しません。

そして、迎えた延長12回ウラ、カープは、2アウト・2塁・1塁と一打サヨナラのチャンスを作りますが、あと一本、決定打が出ず。カープはベンチ入りの選手全員を使い切り、延長12回、5時間に渡ったゲームは引き分けとなりました。

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