「化け物」、「人間をやめている」…!いま全盛期を迎えるJ1神戸FW大迫勇也はこれまで以上に半端ない

J1も残り9試合となり、タイトルレースも佳境に入りつつある。現在2位で壮絶な優勝争いを繰り広げるヴィッセル神戸で、人間離れしたパフォーマンスを見せる元日本代表FW大迫勇也は、リーグ全体を見ても別格の一言に尽きる。

今季リーグ戦25試合19得点4アシストとほぼ1試合1度のペースで直接得点に絡んでいる。これまで代表やクラブシーンで優れた成績を残してきたものの、いまが全盛期と思えるキャリアハイペースで結果を出している。

いま面目躍如の働きを披露している傑出したストライカーの能力をひも解く。

多彩なゴールパターンで決定機を逃さない

特筆すべき点は多彩な得点パターンを持っているため、あらゆる決定機でゴールを逃さない点が傑出している。今季リーグ戦19得点の内訳は13得点が右足、1得点が左足、頭で5得点と苦手な部位が存在しない。

そして多種多様なシチュエーションでも得点を重ねている。セットプレーから高い打点でゴールを奪い、流れの中からときには強引な個人突破、ときには味方とのパスワークから…と、変幻自在だ。

そして第23節川崎フロンターレ戦では直接フリーキックのプレースキッカーを担い、ドライブ回転がかかった曲がるボールでゴールを奪ってみせた。

力強さ、繊細さを兼ね備え、ときには強引に、柔軟に、そして狡猾に、とゴールハンターは状況に合わせて表情を変える。相手ディフェンダーからすれば対処が難しく、対戦したJリーガーは口をそろえて「化け物」、「人間をやめている」と畏怖の対象になっている。

チャンスメイカーとしても優秀

フィニッシャーとして類を見ない存在となっている大迫だが、チャンスメイカーとしても別次元のパフォーマンスを見せている。

身体能力に優れたストライカーは非凡なフィジカル、強じんな体幹、絶妙なバランス感覚でボールをキープし、マークを引き付けた状態からライン間でボールを受けてから精度の高いラストパスでチャンスを演出する。

さらにヘディングのセンスも抜群なため、高い打点から頭で合わせたボールはピンポイントに味方のシュートコースへふわりと落とす。ときには鋭いボールを頭でフリックするようにスペースへ流す技術も図抜けている。

サッカーの戦術用語に「交通整理型」といわれる言葉があり、この手のストライカーはボールキープやフリーランを駆使してマーカーを誘導し、周囲のアタッカーが侵入できるスペースや経路を渋滞しないように管理している。

大迫はこのプレーを高い水準でこなしているため、FWパトリッキのラインブレイクや無尽蔵のスタミナでピッチを駆け抜けるFW武藤嘉紀が躍動している一因になっている。

いま全盛期を迎える全能型ストライカーの代表復帰は

大迫の代表復帰待望論は未だにサッカーファンの間で議論になっている。Jリーグで魅せているハイクオリティなポストプレー、フィニッシュ、チャンスメイクを担えるストライカーが代表に不在だからだ。

ほぼすべての能力に長けているFWを万能型ストライカーと称することもあるが、1ステージ上の活躍を見せている大迫は“全能型ストライカー”と呼んでもいいかもしれない。

ピッチ上で見せる全知全能と思わせるようなプレーを見せるストライカーといえば、ズラタン・イブラヒモビッチ、カリム・ベンゼマ、ルイス・スアレスらがいる。大迫は歴史に名を残すゴールスコアラーを彷彿させるプレーを見せるシーンがあるため、彼のプレーに引き込まれているファンは数が多い。

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いま全盛期を迎える全能型ストライカーは日本代表の帰還はあるだろうか。Jリーグシーズン終了後に代表はアジアカップを控えている。リーグMVP候補である半端ない大迫の一挙手一投足から目が離せない。

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