【インド】トヨタ、フレックス燃料のHEV試作版公開[車両]

TKMはMPV「イノーバ・ハイクロス」をベースにフレックス燃料で走行可能なハイブリッド車のプロトタイプを公開した=29日、首都ニューデリー(NNA撮影)

トヨタ自動車のインド子会社トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)は29日、同社の多目的車(MPV)「イノーバ・ハイクロス」をベースにしたフレックス燃料車のプロトタイプを公開した。ガソリンにバイオエタノールを高い割合で混合した燃料を使用し、エンジンを停止した状態で電気モーターのみでも走行可能な「ストロングハイブリッド車(ストロングHEV)」となる。

首都ニューデリーで開かれた式典には、TKMの吉村公一社長をはじめ、ガドカリ道路交通・高速道路相ほか、インド政府の高官も出席した。吉村氏は、インドの排ガス規制「バーラト・ステージ(BS)6、車載式故障診断装置(OBD2)対応」に準拠した、世界初のストロングハイブリッド式のフレックス燃料車となると紹介。インド政府に歩調を合わせ、カーボンニュートラル(炭素中立)のモビリティー社会の構築に貢献していくと語った。

インド政府は2025年4月までに全土でガソリンにエタノールを20%混ぜた「E20」を導入する計画で、燃料の輸入コストを年間3,500億ルピー(約6,200億円)削減できると試算している。インドではサトウキビや食用穀物のみならず、農作物の残りかすを利用したエタノール生産に成長性が見込まれ、25年以降、E20の需要を上回るとみられている。

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