金沢リンクスに高級ホテル リゾートトラスト、知事に表明

馳知事(右)に進出表明する伏見社長(中央)。奥は、リゾートトラストが岐阜県高山市や琵琶湖周辺で計画するホテルのイメージボード=県庁

  ●全120室スイート、27年開業

 全国でホテル事業を展開するリゾートトラスト(名古屋市)は2027年をめどに、金沢市粟崎浜町の「ゴルフ倶楽部(くらぶ)金沢リンクス」で、会員制リゾートホテルを建設する。日本海を望む全室スイートルームの最高級タイプで、全国からの利用を見込む。29日、伏見有貴社長が石川県庁で馳浩知事に進出を表明した。

 同社リゾートホテルの最上位となる「サンクチュアリコートブランド」を想定し、コンベンション機能も設ける方向で検討している。投資額は未定とするが、同規模のホテルを設ける場合は300億円程度となる。従業員数は300人を見込む。

 会員制ホテルは13、14階建てで、平均100平方メートルの大型の客室を約120室設ける。会員権の価格帯は600万~2500万円という。

 リゾートトラスト側は今後、ゴルフ場を運営する大浜リゾート開発(金沢市)の株式を半数以上取得する。仮設のクラブハウスを建てた上で、現在のクラブハウスを取り壊し、その跡にホテルを建設する。来年夏ごろに着工する。

  ●会員に金沢進出求める声多く

 伏見氏は、会員アンケートで金沢への進出を求める意見が多く聞かれたと説明し、「会員の多い東京、大阪、名古屋からのアクセスに優れ、歴史や伝統文化が息づいている。全国からメンバーを集め、地元の発展に共に取り組みたい」と話した。

 馳知事は「海側にリゾートゾーンができれば、金沢港周辺整備に弾みがつく」と歓迎した。金沢リンクスの古賀克己理事長、大浜リゾート開発の小竹正剛社長、新保博之金沢市副市長が同席した。

 リゾートトラストは東証プライム上場で、グループで40カ所以上のホテル、13カ所のゴルフ場を展開する。

 金沢リンクスは1990(平成2)年に開業した。ゴルフ場の用地は元々、石川県が工業団地として造成したが、88年に約70万平方メートルを県土地開発公社などを通じて大浜リゾート開発に売却した。

 同社は88年、県内企業の出資で設立された。宮太郎氏(大和元社長)が社長を務め、2007年に澁谷工業前社長の澁谷弘利氏に交代。同年には預託金償還のめどが立たず、金沢地裁に民事再生法の適用を申請している。澁谷氏死去後の21年11月には小竹氏が後任に就いていた。

高級ホテルが建設されるゴルフ倶楽部金沢リンクス=金沢市内(ドローンから)

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