動きの遅い“80代老人”のアクションをどう作り上げたのか『復讐の記憶』イ・ソンミン、ナム・ジュヒョクらが舞台裏を語る

『復讐の記憶』©︎2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED.

韓国で公開初日ボックスオフィスNo.1、名優イ・ソンミンと人気俳優ナム・ジュヒョクが初共演し、『華麗なるリベンジ』のイ・イルヒョン監督が手掛けた異色の復讐劇『復讐の記憶』が、9月1日(金)より日本公開される。

このたび、イ・ソンミン、ナム・ジュヒョク、イ・イルヒョン監督らスタッフが製作の舞台裏を語ったインタビューと、撮影風景満載のメイキング映像が解禁となった。

“忘れてはいけない”記憶があった

本作は、家族を死に至らしめた裏切り者への復讐を、60年前から心に誓い生きてきたイ・ソンミン演じる80代の老人ピルジュ。ピルジュの元同僚で、年齢差を越えて親友になったナム・ジュヒョク演じる青年インギュ。認知症で自分の記憶が長くは続かないと悟ったピルジュが、ついに実行する復讐計画と期せずして同行することになった二人の予測不能な逃走劇を描く。

特殊メイクで“老人”に扮したイ・ソンミン

「記憶を失っていく老人の話ということがとても興味深かった」と語るイ・ソンミンは現在54歳だが、本作では80代の老人を演じるため、細心の注意を払った特殊メイクをすることに。数々のテストを繰り返し、なんと毎日2時間から2時間半のメイクが必要だったという。そして「顔だけで老人になるわけではないので、歩き方や話し方」に気を配り撮影に臨むイ・ソンミンをみてナム・ジュヒョクも「本当の老人のようでした」と振り返る。

本作の見どころの一つである、バラエティに富んだアクションシーンを作り上げたのは、『アシュラ』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』などのメガヒット作で武術監督を務めたホ・ミョンヘン。「通常アクションは速い動きを求めるが、今回は老人たちのアクションなので、通常スピードの半分ぐらいにすることで現実味を出した」という。

さらに演出面では、「復讐というのは激しい感情だがピルジュの動きは遅く、どのように速度感をあたえることができるのか」と考えた末「速いスポーツカーに乗ることによって、復讐の感情にスピーディーに追いつこうとした」と説明。実際にスポーツカーに乗ったイ・ソンミンが「今頭がざわっとした」とその速度にびっくりする様子や、ナム・ジュヒョク自ら運転し、猛スピードで狭い路地をバックで抜けていく撮影シーンもあり、ジュヒョクが思わず「足が少し震えるね」と本音が出る場面も。

またイ・イルヒョン監督が「最初に台本を渡した俳優」で「演技力は韓国でトップと言われている」と絶大な信頼を置くイ・ソンミンをキャスティングした理由や、「インギュは今を生きる20代のように演じてほしい」との監督からの演出に応え、「普通に生きていれば経験することのない感情」を露わにするナム・ジュヒョクの撮影風景も。劇中同様イ・ソンミンが「友人のように過ごした」という二人が舞台裏でみせる絶妙なケミストリーも必見のメイキング映像となっている。

『復讐の記憶』は9月1日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開

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