規格外「庄内梨」の商品化後押し 由布市の一般社団法人が1次加工事業【大分県】

農家から規格外のナシを受け取るユフイズムのスタッフ(左)=由布市庄内町高岡の宮脇果樹園
切ったナシを機器でこしピューレに加工=由布市庄内町柿原
ピューレは冷凍保存し出荷する

 【由布】一般社団法人ユフイズム(由布市庄内町柿原)は、特産である「庄内梨」の規格外品を1次加工する事業を始めた。ピューレにして冷凍保存し、市内の食品加工業者や飲食店に出荷する。各事業者によるナシを使った商品開発を推進する目的。

 ユフイズムは、農村の活性化などを目指し、2020年に設立。市内の農家や加工品製造・販売者らでつくる「YUFUTO(ゆふと)」と市グリーンツーリズム研究会(ゆふグリ)の事務局を担っている。

 今回の事業は、庄内梨を使った商品が少ないことに着目。手間のかかる皮むきなどの下処理を済ませ、保存できる状態にした1次加工品を提供することで、商品化を後押ししたい考え。ナシは表面に傷が付いたり、小ぶりだったりと市場に出回らない実を有効活用する。多くのナシ農家は出荷時期は忙しく、加工にまで手を広げられないのが現状という。

 昨年に試験製造し、今年から本格実施をする。出荷先が1社しか決まっていないため、今年は300キロの「豊水」から150キロのピューレを作る計画。10軒のナシ農家から30キロずつ規格外品を買い取る。

 24日から9月14日まで4回に分けて、各集荷日に下処理を、翌日に機器を使ってすりつぶし、こしてピューレにして冷凍する。裏ごしをしていない商品も作る。

 同町高岡の「大塚梨園」の大塚雅彦さん(70)は「廃棄が少しでもなくなり、できるだけ多くのナシが商品化されるといい」と期待する。

 ユフイズムの担当者は「販路が増えれば農家からの買い取りも増やせる。まずは販路開拓に力を入れたい」と意気込んでいる。

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