核廃絶へ世界の壁越えたい ナガサキ・ユース代表団11期生 NPT準備委、活動報告

書道イベントで寄せられた作品を掲示し、活動を報告する11期生=長崎市文教町、長崎大

 7月末から8月上旬にかけてオーストリアで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会を傍聴した「ナガサキ・ユース代表団」11期生が28日、長崎市内で活動報告会を開いた。現地で書道イベントを企画し、世界各国の人たちと平和への思いを共有し、今後の活動に生かす決意を新たにした。
 代表団は県、同市、長崎大でつくる核兵器廃絶長崎連絡協議会が最新の核情勢を学び、行動する人材を育成する目的で選考。昨年12月から活動する11期生は長崎大、同大学院、活水女子大の学生7人。NPT準備委員会の傍聴のほか、各国政府や国際機関の関係者らと意見交換した。
 書道イベントは、NPT準備委員会のサイドイベントとして企画。長崎大の学生や被爆者らから集めた書を会場内に飾り、訪れた各国大使やNGO関係者ら20人が筆ペンでそれぞれが思う「平和」を書き記した。
 同大環境科学部2年の今岡明日美さん(19)は「核兵器禁止条約など世界は徐々に廃絶に向け動いている。加速させるためにこれからも貢献したい」と抱負を語り、同大薬学部2年の有吉葉奈子さん(19)は、11期生を代表し「一番感じたことは『世界の壁は厚い』ということ。うまく伝えられず悔やむこともあったが、伝え方を模索し、これからも壁にぶつかっていきたい」と結んだ。
 報告会には学生や市民約30人が参加し、オンラインで約50人が視聴した。

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