コロナ感染拡大で入院増、病院負担徐々に 青森県内

新型コロナの入院患者を受け入れているつがる総合病院の病棟。感染拡大に伴い、満床となっている=28日(同病院提供)

 7月半ばごろから、青森県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、一部の病院では入院患者が増加し、「スタッフの負担が増している」と訴える声が上がっている。感染者用病床に加え、一般病床でも入院対応を行っているつがる総合病院(五所川原市)では、感染防止対策として、22日から入院患者への面会を禁止する対応を講じている。一方で、新型コロナ患者の受け入れや一般診療に「大きな影響は生じていない」とする病院もある。

 つがる総合病院では28日現在、40人を超える感染者が入院療養中。新型コロナ患者向けの病棟にある35床が埋まり、一般病床にゾーニング(区分け)を施して入院を受け入れている。

 岩村秀輝院長によると、8月半ばごろから発熱患者の受診が急増し、「今は、新型コロナが発生して以降で最も多くの入院患者がいる状況」と話す。同病院は他の医療機関に向け、不急の患者紹介を一時見合わせるよう呼びかけ。さらに感染者の入院が大きく増えた場合は対応が困難になる恐れがあるため、弘前市の健生病院に受け入れ協力を依頼している。

 入院が必要な症状の感染者は、70代後半以上の高齢者が多いという。岩村院長は「以前のような厳密さは必要ないが、高齢者と接する機会がある人は、密な状態の回避やマスク着用、手洗いを意識するなど、体調に応じて配慮してもらえれば」と呼びかける。

 青森市民病院の27日現在の入院者数は10人。新型コロナ患者をすぐに受け入れる病床(即応病床)8床が埋まり、感染者が増えた場合に備えておく病床を稼働させている。外来や手術などに影響は出ていない-としている。事務局の遠嶋祥剛次長は「患者の増加に伴い、特に看護師の負担が増えているが、全職員が協力し合い通常診療の維持に努める」と話した。

 弘前市の健生病院の担当者は「病棟で新型コロナ患者を受け入れる余力はあるが、入院患者数は定床(新型コロナの専用病床)を超えている」と説明。外来を訪れる発熱患者はかなり多く、陽性率も高いという。

 十和田中央病院(十和田市)では、職員566人のうち15人が、新型コロナにより休んでいる。取材に対し「各部署で数人ずつ休んでいるため厳しい状況だが、業務には支障がない」と答えた。

 八戸市民病院では、外来の混雑状況が「新型コロナの法的位置付けが5類に移行した後に比べると、8月に入ってから人数が2倍ほどに増えている」、むつ総合病院(むつ市)は「最近は、小児科の受診者が徐々に増えている」状況。2病院とも「診療への大きな影響はなく対応できている」としている。

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