小矢部にさとやまマルシェ 高岡の坂本さん 思い出の保育所、友人と

マルシェについて語る坂本さん=小矢部市岩尾滝くつろぎ交流館

 2008年に閉所した小矢部市岩尾滝保育所(現在の岩尾滝くつろぎ交流館)に通っていた主婦坂本恵さん(38)=高岡市三女子=が友人2人と連携し、9月2日に同館で「さとやまマルシェ」を開く。毎日通い、思い出の詰まった地に恩返しをしようと初めて企画され、自然農法で育てた野菜や手作りお菓子が並ぶほか、ベンガラ染めの体験会なども用意する。

 マルシェは3人でつくる実行委員会が主催する。同保育所と隣接する岩尾滝小に通った坂本さんは今年1月に第2子を出産するため、旧保育所近くの実家に帰っていた際、「メルヘン建築」で知られる両施設を見かける機会が増えた。

 窓の形一つをとっても、坂本さんにとって旧保育所は魅力的な場所に感じた。中山間地に位置するが、国道471号が地区内を通り、比較的訪れやすい場所であることもアピールする。

 交流館は床や壁には小矢部産の杉を用い、木のぬくもりを前面に出している。外観はほぼ当時のままで、保育室を改修した多目的室などがマルシェの会場となる。体験会では、希望者が不要なTシャツやタオルなどを持ち込み、土から採取できる染料「ベンガラ」で染め上げる。催しは古い物と新しい物をつなぎ、SDGs(持続可能な開発目標)も意識して行う。

 マルシェは2~3カ月に1回開く予定で、坂本さんは「人と人を結び、多くの人が交流できる場とし、地域の魅力も多くの人に知ってほしい」と話した。

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