古都・慶州の食べ歩きスイーツ、現地ガイドお薦めの釜山グルメを実食 韓国旅行ツアー記者体験ルポ

チョンドゥギを買い求める観光客。皇理団ギルで食べながら歩く人が多かった=慶尚北道慶州市

 韓国観光公社が主催するメディア向けツアーに参加した記者が、韓国第2の都市・釜山(プサン)と、国内で最も多くの世界遺産を有する古都・慶州(キョンジュ)を紹介する連載「韓流散歩~本紙記者が行く釜山、慶州」。今回は古都・慶州の最新観光スポットや現地ガイドお薦めの釜山グルメをお届けする。(取材協力・韓国観光公社) 

 ■新しさとレトロ感

 新羅の首都として栄え、歴史的建造物や遺跡が街のあちこちに残る古都・慶州には最新観光スポットも存在する。ソウル・梨泰院(イテウォン)にある若者に人気の通り「経理団(キョンニダン)ギル」にあやかって名付けられた、その名も「皇理団(ファンニダン)ギル」だ。

 伝統的な建築様式の家屋「韓屋(ハノク)」をリノベーションしたレストランやカフェをはじめ、写真館、アパレルショップなどが約400メートルの通りにずらり。「MZ世代」(ミレニアル世代=1980~90年代半ば生まれ=とZ世代=90年代後半~2010年代前半生まれ=の造語)が好む、新しさとレトロ感が融合した雰囲気が通りや建物のあちこちに漂っている。

 ■伝統菓子アレンジ

 「最新スイーツは韓国から」と自身で勝手に思い込み、皇理団(ファンニダン)ギルを散策。すれ違う人たちが最も多く食べ歩きしていたスイーツが「チョンドゥギ」だった。

 チョンドゥギは小麦粉などを原料としている、もちっとした食感が特徴の昔ながらのお菓子。本来はほんのりとした甘さの代物だそうだが、売っていたのは表面に砂糖たっぷりで甘辛くアレンジされたもの。見た目と紙の器に、某ファストフードを思い浮かべつつ一口食べてみる。歯ごたえ十分で油っこく、極めて甘かった。

 口直し?に食べたのは、1日に80万円売り上げることもあるというコーンのスナックが付いたトウモロコシ味のソフトクリーム。行列に10分ほど並んでゲットし、店の看板をバックに写真撮影した。

 どちらのスイーツも、韓国の流行の鍵を握るMZ世代に受ける“映え”がコンセプトのように感じた。

⇒本格韓国料理いつでも自販機で…無人販売所が増加中

 ■釜山グルメ1位は…

 「私が思う釜山(プサン)3大料理は、ミルミョン、ナッコプセ、テジクッパです」

 現地ガイドが教えてくれた。ミルミョンは釜山式冷麺で、小麦粉にサツマイモの片栗粉を混ぜて作ったコシのある麺が特徴。牛や豚の骨を煮込んだあっさりしたスープに、酢や辛みそで味変しながら一気に完食した。ナッコプセはテナガダコとエビと牛ホルモンの鍋で、テジクッパは豚肉を使った雑炊だ。

 本場のサムギョプサルも堪能した。チシャ菜に豚肉やニンニク、青唐辛子を巻いて次々と頬張る。お酒が進む一品だった。

 ■チキンとビール

 帰国前日の夕食は、朝鮮時代の宮廷料理を現代風にアレンジした「韓定食」。お見合いや祝いの席で出される料理で、小皿に盛られているが次々と運ばれてくるため満腹になった。夜中は街に繰り出しチキンとビール(メクチュ)をセットにして食べる「チメク」で最後の夜を楽しんだ。

 現地ガイドは「釜山の男性は気が短い人が多い」と言っていたが、海雲台(ヘウンデ)市場のオムク(韓国のおでん)店の男性店員は優しくて気のいいお兄さんだった。

 店員をはじめ現地の人は驚くほど日本語でのコミュニケーションが可能で、ほとんどが親しみを持って接してくれた。「近くて遠い国」と言われているが、行ってみると“めちゃめちゃ近い国”と実感した。

釜山、慶州ツアー記者体験ルポ「韓流散歩」シリーズ

⇒釜山&慶州の旅…絶景だった「東洋のナポリ」 ビルと海きらめく街

⇒「屋根のない博物館」古都・慶州、新羅期の栄華や仏教芸術今に

 

© 株式会社福井新聞社