全国学力テストで全国平均下回った英語 佐賀県内の教育長、充実策巡り意見交換

外国語教育を充実させるアイデアを出し合った県・市町教育長の意見交換会=佐賀市のエスプラッツ

 4月に実施された全国学力テストで佐賀県の中学3年生の英語の平均正答率が全国平均を下回ったことに関して、佐賀県教育委員会と市町教委の教育長が30日に意見交換した。「英会話教室」の実施例が報告されたほか、自宅学習の推進など外国語教育を充実させるアイデアが出された。

 県内の平均正答率は39%と全国(45.6%)を下回り、全国43位の低さだった。昨年度に実施された英語教育実施状況調査でも全国平均や県の目標に届かなった。

 佐賀市のエスプラッツで開かれた意見交換会では、各市町でフィリピン・セブ島の講師、英語を学ぶ大学生らとオンラインでつなぐ英会話教室を実施したことが報告された。「子どもたちが真剣にコミュニケーションを取り、生きた英語に触れられている」と効果を強調する一方で、「今回のテスト結果でこれほどの差が出たので、試験問題の作成の工夫、教員向けの研修を充実させてはどうか」などの意見が出ていた。

 県教委は、生徒や児童に1人1台支給されているタブレット端末に関して「英語学習と親和性が高い道具で、活用する生徒が『授業内容が分かる』とアンケート調査で答えている。(タブレットを使った英語学習に)関心を持つ小学生が多いというデータもあり、自宅への持ち帰りを学校に働きかけて」と呼びかけた。

 意見交換会は、連携強化による円滑な教育行政を推進しようと毎年実施している。学校での熱中症対策、不登校児童生徒の指導要録上の出欠取り扱いなどについても意見を交わした。(大田浩司)

© 株式会社佐賀新聞社