60年以上愛され閉店 富山県高岡市の割烹寿司「五九郎」、後継者を募集

笑顔を見せる社浦さん夫婦

 60年以上にわたって多くの人に愛された富山県高岡市桐木町の割烹(かっぽう)寿司「五九郎(ごくろう)」が31日、閉店した。メニュー表はなく、客のニーズに応えた料理を提供してきた。店主の社浦慶子さん(64)と、板前の一夫さん(70)夫婦が切り盛りしてきたが、体力の限界を感じて決断した。一夫さんは「何十年もお客さんに愛してもらって幸せ」と感慨深げに話した。現在、後継者を募集している。

 1957年に慶子さんの父の故盛一さんと母のあやさん(87)が、市内の恵比須通りにすし店として創業。店名は喜劇役者の名前から付けた。約35年前に現在地に移転してから、和食を提供するようになった。

 4階建ての店で、芸能人やスポーツ選手ら県内外から多くの人が通った。一夫さん一人で、客の要望や予算に合わせて料理を作るため、体力面の不安を理由に閉店を決めた。

 店を受け継いでくれる人を募っており、慶子さんは「この店を守ってくれる人を見つけたい」と話している。

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