第39回高岡薪能(たきぎのう)は27日、富山県高岡文化ホールで開かれ、観客約500人が国内を代表する能楽師らの繰り広げる舞台を堪能し、幽玄の世界に浸った。
天候不良が懸念されたため、会場は高岡市の国宝瑞龍寺から同ホールに変更された。第1部は高岡能楽会員が素謡や仕舞、舞囃子(ばやし)を披露。第2部の薪能では、重要無形文化財保持者(総合指定)の金森秀祥師(東京)が舞囃子「松風」、能村晶人師(同)が狂言「棒しばり」、人間国宝の大坪喜美雄師(神奈川)が仕舞「融」を演じた。
火入れの儀では、かがり火に代わって揺らめく明かりが3カ所でともされ、瑞龍寺の四津谷道宏住職が読経した。火入れの後、能「岩船」を上演し、佐野由於師(東京)がシテを務めた。帝にささげる金銀珠玉を積み込んだ船が、龍神に守られながら国に到着する物語に観客が見入った。
高岡能楽会主催、高岡市、同市教委、富山テレビ放送、北日本新聞社共催。