「種もみ王国」に新拠点 JAとなみ野、稲種センター完成

 JAとなみ野の稲種センター(種子調製選別施設)の竣工式は1日、同市庄川町筏の同センターで行われ、約100人が県外からの種もみ(水稲の種子)の受託生産量が日本一を誇る「種もみ王国」の新たな拠点施設の完成を祝った。

 2020年の計画承認から3年余、総事業費約25億円と同JAでは過去最大。調製能力の向上で品質がさらに高まり、藩政期から約270年の歴史がある種もみの生産に弾みがつくことに期待を寄せた。

 稲種センターは鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は2780平方メートル。種もみを選別する最新設備4基をはじめ、消毒や集塵(じん)の各設備などを配置し、年間で種もみ3260トンを選別できる。庄川稲種センター(同市庄川町五ケ)に隣接する旧小学校跡地約3千平方メートルで昨年11月から工事を進めていた。

 建設から30年余が経過した庄川、中野の両稲種センターを改修して機能を再編し、中野施設は大豆と麦を選別する施設に特化。中野で行っていた種もみの選別や保管、検査は庄川施設に集約して効率的な運営ができるようになった。

 式ではJAとなみ野の佐野日出勇会長が「作付計画から販売まで一元管理が可能となり、種もみ生産に大きく寄与する」とあいさつ。元農相の野上浩太郎参院議員、橘慶一郎衆院議員が祝辞を述べ、新田八朗知事の祝辞を蔵堀祐一副知事が代読し、夏野修市長も祝辞を贈った。

 土田英雄組合長が閉会あいさつで「全国の産地へより品質の高い種もみを届けていきたい」と述べた。雄川勉JAとなみ野経済部長が経過説明を行った。続いてテープカットが行われた。

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