3位名古屋がホームで痛恨ドロー…16位横浜FCに終盤被弾で勝ち点「2」失う【明治安田J1第26節】

2日、明治安田生命J1リーグ第26節の名古屋グランパスvs横浜FCが豊田スタジアムで行われ、1-1のドロー決着となった。

2連敗中の3位・名古屋。前節は首位を走る横浜F・マリノスと2位のヴィッセル神戸も白星を逃したことで優勝争いに踏みとどまっているが、残留争いの渦中にいる横浜FC相手の取りこぼしは許されない。是が非でも勝ち点「3」がほしいところだ。

対する16位・横浜FCこそ、前節の横浜FMに土をつけた張本人たち。サポーターも熱が入る横浜ダービーとはいえ、首位相手にまさかの4発逆転勝ちとなり、三つ巴の残留争いを一歩リードすると同時に今節への弾みをつけることに成功した。

堅守速攻を標榜し、ポゼッションに固執しない両チームが激突したなか、立ち上がりはゆったりとした展開。どちらかがボールを握った際はロングボールが主体となり、人数をかけて敵陣まで深く押し込むというシーンは訪れない。

それでも両チームともカウンターの意識は強く、名古屋は永井のスピードを活かす思惑が見てとれ、横浜FCはボール奪取後すぐに複数の選手が前線へ走る。より迫力があるのは、両ウイングバックが機を見てボックス内までスプリントする横浜FCだ。

最初のシュートも横浜FC。18分、右CKがゴール前をすり抜けてボックス左角の山下に渡ると、山下はワントラップから内巻きの右足シュートでゴール右隅を狙う。惜しくも枠を捉えきれずも、先制点の予感を感じさせる。

ところが、先制点は名古屋。22分、鋭い速攻から永井が左サイドを抜け出すと、ボックス手前にスプリントした稲垣を経由し、右サイドから駆け上がった和泉が右足アウトサイドでシュート。DFにブロックされたこぼれ球を稲垣が押し込んだ。

何故かプレーに関与していないユンカーの位置がオフサイドだったとして副審の旗が上がったが、主審がオンフィールド・レビューでしっかりチェックした結果、ユンカーの関与がないことを確認。無事に稲垣の今季3点目が認められた。

先制すれば今季の公式戦負けなしという名古屋に対し、横浜FCも反撃を開始。30分、小川が鋭いターンで前を向いて右サイドからクロスを上げると、ファーサイドから走り込んだのは林。渾身のダイビングヘッドはわずかにゴール左へ外れる。

名古屋の1点リードで折り返した後半、追いかける横浜FCは53分に林と小川を下げ、近藤とマルセロ・ヒアンを投入して打開を図る。しかし、リーグ屈指の堅守軍団・名古屋を脅かすシーズンは作れず、GKランゲラックの仕事量も限られる。

横浜FCは71分、ボックス右に流れたマルセロ・ヒアンが中央へマイナスの折り返しを送り、ユーリ・ララがボックス手前から右足ダイレクトシュート。ここまでで最大のチャンスだったが、強烈な一撃もランゲラックの横っ飛びに阻まれる。

74分には右CKの流れから井上がゴール前へ斜めの浮き玉パス。走り込んだマテウス・モラエスの目の前にはランゲラックしかいなかったが、ヘディングシュートはゴール右へ外れる。ゴール前には迫るが、肝心の1点が遠い。

対する名古屋に1点を先行してから攻め急ぐ理由はなし。自陣でしっかりブロックを敷いて横浜FCのアタッキングに対応する。ただ、クロスを入れられる回数が非常に多く、このケアを怠ったことが試合終盤の被弾に繋がった。

86分、横浜FCは近藤が右サイドからクロスを上げ、ゴール前でマルセロ・ヒアンが打点の高いヘディングシュート。ランゲラックがなんとか触れてポストを弾いたこぼれ球に対し、83分に途中出場したばかりの高井が押し込んでネットを揺らした。

結局、堅守速攻を標榜するチーム同士のミラーゲームは1-1のドロー決着に。優勝争いに踏みとどまりたい名古屋は勝ち点「2」を失う格好となり、残留争いを続ける横浜FCにとってはアウェイから勝ち点「1」を持ち帰ることに成功した格好だ。

名古屋グランパス 1-1 横浜FC

【名古屋】

稲垣祥(前22)

【横浜FC】

高井和馬(後41)

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