劇作家・岡部耕大さん(78歳)死去 長崎県松浦市出身

舞台劇「長崎の鐘」の映画化にあたり、思いなどを語る岡部さん=2013年2月、長崎新聞社

 長崎県松浦市出身の劇作家、岡部耕大(おかべ・こうだい、本名耕大=こうた)さんが8月25日午後6時55分、肺炎による敗血症性ショックのため川崎市高津区の病院で死去した。78歳。葬儀・告別式は近親者で執り行われた。喪主は妻イツ子(いつこ)さん。
 1970年に劇団「空間演技」を創立し、79年に「肥前松浦兄妹心中」で岸田国士戯曲賞、88年に「亜也子」で紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞。映画やテレビドラマの脚本家としても才能を発揮し、日本劇作家協会理事を務めた。
 97年1月から約2年間、本紙でエッセー「われは海の子」を毎週連載。計100回を本にまとめて2001年に出版した。07年から約10年間、文化庁の芸術家派遣事業の一環として、松浦市内の小学校で演技指導。地域の民話、昔話などを基に毎年1校ずつの児童によるミュージカル上演に取り組んだ。
 松浦市へも度々公演で訪れ、関係者によると、22年8月6日、市文化会館であった「精霊流し」が最後となった。

© 株式会社長崎新聞社