さまざまな“絆”を胸に 全国ソフトテニス親子・夫婦大会 島原市営総合運動公園

夫婦シニアの部予選リーグを終え、互いの健闘をたたえ合う埼玉県越谷市の掘克世さん・恵子さんペア(奥)と、島原市の増田登さん・明子さんペア(手前)=島原市営総合運動公園

 全国のソフトテニス愛好家が親子や夫婦でペアを組み対戦する「全国ソフトテニス親子(孫)・夫婦大会」(島原市ソフトテニス連盟主催)がこのほど、同市であり、約130ペアが出場した。「大病を経験したので、毎年参加することが夫婦の目標」「進学後は忙しいから、きっと今回がお父さんとの最後の出場」。参加者はさまざまな思いでプレーを楽しんでいた。
 同大会は1998年、雲仙・普賢岳災害からの復興を目指して始まり24回目。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から3年間は全国大会が中止となり、21、22年は長崎県内在住者限定だった。4年ぶりの全国大会は親子(小・中学生の部)、親子(高校・一般の部)、夫婦一般、夫婦シニアの4部門。
 夫婦の合計年齢が110歳以上のシニアの部にエントリーしたのは8ペア。重い心臓病を抱える埼玉県越谷市の掘克世さん(60)と妻恵子さん(58)は、2004年の第7回大会から出場している。予選リーグで同連盟会長の増田登さん(70)と妻明子さん(66)に敗れたものの、克世さんは「東京で心肺停止となって倒れたこともあった。勝ち負けより、夫婦一緒に出場を積み重ねていくことが私たちの目標」、恵子さんは「80歳過ぎの高齢夫婦も頑張っておられる。大会で友達と再会できるのも楽しみ」とほほ笑んだ。
 親子(小・中学生の部)には69ペアがエントリー。西彼長与町の会社員、石井智洋さん(50)と息子勇貴さん(15)=長崎南山中3年=は初出場で優勝した。
 ソフトテニス歴37年の智洋さんは、ミスがあっても「積極的にいっているから大丈夫」と息子に声をかけ続けた。勇貴さんは中学からソフトテニスを始めた。「お父さんと“全国制覇”できたのが、この夏一番の思い出。高校は忙しくなるから、きっと親子では出場できないけど、公式戦で全国出場を目指したい」と話した。

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