県警、所属長が「るりボス宣言」 働きやすい職場づくりへ目標設定

県警が本年度から取り組んでいる「るりボス宣言」の目標

 明るく働きやすい職場づくりを推進しようと、栃木県警は本年度、各職場の所属長がワークライフバランスなどに関する目標を立てて提示する「るりボス宣言」に取り組んでいる。仕事と家庭生活の両立などを図るため、所属長自らが意識改革するのが狙い。「家族を大切にする職場を目指す」など、約60人の全所属長の目標を冊子にまとめ、全警察官・職員に配布した。

 旗振り役の県警警務課によると、るりボス宣言は部下のワークライフバランスの推進などを支援する「イクボス」の県警版。県警本部の各課長や機動隊などの執行隊長、県内19の警察署長ら各所属長が任意で取り組む。初年度の本年度は約60人の所属長全員が「るりボス」になると宣言した。

 「にぎやかな職場になりますように!」「年次休暇の取得20日以上」など、目標は多岐にわたる。各所属長の宣言は顔写真付きで冊子にまとめて配布し、誰もが見られるようにした。

 所属長からは「自ら宣言することで意識向上効果は非常に大きい」「宣言したからには実践できるよう心を新たにした」など前向きな声がある。部下側からも「有言実行しようとする意思が見えるようになった」「所属長がどこを目指しているのかが分かる」との受け止めが聞かれるという。

 県警の働き方改革では突発的な事案に対応する特殊性から、計画的な休暇取得が難しい面や「休めない」という意識があること、女性警察官のキャリアアップなどが課題に挙げられる。

 同課は「所属長自身に育児や介護などに配慮、理解のある上司だと宣言してもらい、各所属の実情に応じたワークライフバランスを推進する。多様な働き方が受け入れられる組織文化をつくりたい」としている。

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