孤立しがちな人集う場に 9日、砺波・池原に農福連携型カフェ開業

9日にオープンするコミュニティーカフェのスペース=砺波市池原

 社会に生きづらさを感じる人が気軽に集える農福連携型のコミュニティーカフェ「グレーパリィ」が9日に砺波市でオープンする。地域で孤立傾向にある人の交流援助などに取り組むNPO法人「ぶどうの花」など、サポーターと連携しながら、孤立しがちで居場所がないと感じる人が安心して集える場を目指す。

 カフェは同市池原の松浦和美さん(72)が国道359号沿いで運営する池原ぶどう園の直売所内に設ける。広さ35平方メートルで、メンタルサポーターで栄養士の中村恵美さん=富山市=が地元の新鮮な野菜などを中心に料理したバランスの取れた食事を提供する。ぶどう園で取れたシャインマスカットなどを使ったデザートの提供も検討する。当面、土、日曜日限定で午前9時~午後4時に開設する。

 松浦さんはコロナ禍を経てニートや引きこもり、人間関係のトラブル、認知症など、子どもから高齢者までいろんな悩みや不安を持ちながらも、誰にも相談できずに孤立しがちな人が地域で増えていると感じ、カフェの開設を思い立った。

 カフェでは、自身が理事長を務める「ぶどうの花」や、ぶどう園での就労支援で協力する高岡地域若者サポートステーションなどとも連携し、カフェの手伝い体験を通じ、次の就業へ自信をつける場にもする。

 カフェが定休日の木曜日には、ニートや引きこもりら社会に生きづらさを感じる人がゆっくりと話せる場も設ける。第3土曜日には子どもから大人まで誰でも利用できる「誰でも食堂」も始める。農家の協力と市民からの寄付で運営する。

 松浦さんは「ゆるくつながって、みんなで支え合って前に進めるようなカフェにしたい」と、多くの来訪を呼び掛けている。

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