廃プラ、独自品に変身 米沢、南陽、山形の団体・サッカーマーカー製造販売

プラスチックの廃材(左)をサッカーマーカー(右)に再生し、販売を始めた関係者=南陽市・冨樫製作所

 米沢、南陽両市の製造業2社と山形市のサッカークラブが、廃プラスチックを材料に、サッカーの練習などで使うサッカーマーカーを作り、販売を始めた。子どもたちが環境問題を知り、リサイクル製の道具に愛着を持ってもらおうとの試みだ。

 プラスチックの加工、リサイクルを手がける相田商会(米沢市、佐藤健夫社長)が発案した。生産装置メーカーの冨樫製作所(南陽市、冨樫学社長)、サッカークラブのエコルサ(山形市、加地伸浩代表)と連携し、取り組んだ。

 相田商会は東北一円のプラスチック成形企業の製造過程で出る廃材を回収・粉砕し、再利用できるペレット状に加工している。工業製品では再生材料を使えないケースもあり、余った再生材の利活用を検討してきた。

 今回使ったのは、米沢市の半導体材料メーカーの廃プラスチックで、「エラストマー」と呼ばれる素材。時計のバンドやゲーム機器のコントローラーなどに使われ、着色できるのが特長だ。相田商会が粉砕・着色を担当し、冨樫製作所が微細な模様を施すことができるプレス機械で、直径18センチ、厚さ2ミリに成形した。市販品は単色が多いが、複雑な色合いを表現できる。チームのオリジナル品を作りたい、といったニーズに対応できるという。

 8月上旬、エコルサや福島県のサッカーチームの小中学生が冨樫製作所を訪れ、リサイクルについて学び、プレス機械の操作や色の配合を体験した。製造の体験は今後も続ける方針で、相田商会の我妻智勝専務は「プラスチックは生活と切り離せない材料。リサイクル材に商品価値を付けることで、プラスチックの適切な利用につなげたい」と話している。

【メモ】 サッカーマーカーの価格は10枚で3300円。少年サッカー大会の会場などで販売を予定している。問い合わせはエコルサの加地代表090(2995)2057。

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