石器や土器、生活の証し 寒河江市美術館、高瀬山遺跡出土品を展示

旧石器時代から縄文時代の遺物が並ぶ展示会=寒河江市美術館

 寒河江市埋蔵文化財フェア「高瀬山の考古学I―旧石器時代・縄文時代」が同市美術館で開かれている。市内の高瀬山遺跡から出土した石器や土器など1万4千~2300年前ほどの遺物約380点を展示している。

 遺跡は最上川沿いの河岸段丘に位置し、旧石器時代から中世にかけての生活の痕跡が残る。展示では、旧石器時代に狩猟・採集に用いられたとされるナイフのような石器などが並ぶ。石器の素材となる石刃をつなぎ合わせ、元となった原石を復元した資料も展示され、原石から石刃を切り出す過程が分かる展示となっている。縄文時代全般の土器も紹介しており、文様や形状の移り変わりも理解することができる。

 同市生涯学習課の大宮富善歴史文化専門員は「本物の遺物が見られる。大昔から、人々が住み続けてきた証しを感じてほしい」と話している。10日まで。6日は休館日で午前10時~午後7時。9日は高畠町にある県立うきたむ風土記の丘考古資料館の渋谷孝雄館長による「高瀬山の考古学」と題した講演も行う。問い合わせは市生涯学習課歴史文化係0237(86)8231。

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