なでしこ池田監督、初招集なしは迫るパリ五輪予選を意識「2次予選前の強化試合は今回だけ、継続性を」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

なでしこジャパンの池田太監督がメンバー選考の理由に言及した。

日本サッカー協会(JFA)は4日、23日に北九州スタジアムで行われる国際親善試合、アルゼンチン女子代表戦に臨むなでしこジャパン(日本女子代表)のメンバー23名を発表した。

オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)の戦いが注目集め、大会後に迎える最初の親善試合。W杯メンバーを中心に編成されたなか、FW千葉玲海菜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とFW浜野まいか(ハンマルビーIF)に代わってMF三浦成美(ノースカロライナ・カレッジ)とDF宝田沙織(リンシェーピングFC)が再招集された。

千葉はすでに杭州アジア競技大会へのメンバー入りが発表されており、日程が重なるため今回の見送りは織り込み済み。浜野に関しては「コンディションの理由」で招集を見送ったと、指揮官は述べた。

復帰組の三浦と宝田については「2人とも所属チームでしっかりと毎試合パフォーマンスを見せてくれていますし、チームの役割の中でプレーできていると感じている」と、それぞれアメリカ、スウェーデンでの活躍を評価。「1人1人の持っている力をなでしこの中でどう発揮できるか見てみたい」と、期待を寄せる。

「(W杯が終わり、次のステージとして)我々はパリ・オリンピックに向けて準備をしていかなければなりません。10月には2次予選があり、来年2月には最終予選があります。その中で今回、アルゼンチンと戦い準備を進めていきたいと思います」

「(W杯後間もない)この短期間の中でメンバーを選ぶと言うのは本当に難しく、いろいろ考えることが多かったです。WEリーグカップも始まりましたし、選手たちはワールドカップを終えて休養も必要ですし準備も必要です。また、海外(のクラブ)に所属している選手たちはチーム作りの中での準備となり、そういう中でメンバーを決めていかなければなりません」

一方で、今回初招集された選手はいない。国内での親善試合は新戦力の発掘に適した場所だと思われるが、10月にはパリ・オリンピックのアジア2次予選が間近に控えているため、再構築よりも既存戦力のブラッシュアップに重点を置いたようだ。

それと同時に、今後新たに台頭する戦力にも期待を寄せている。オリンピック本番へ向けた長い目に関して問われると、「下の世代からもオリンピックに向けて必要なメンバーに成長してくれる(選手が出てくる)ことを望んでいますし、このワールドカップ23名からオリンピックの18名になる選考の部分でも、本当に私が悩むくらいの底上げもそうです。若い選手だけではなく、ここから力を付けてくれる選手が出てきてほしいと思っていますので、ここからの選手たちの成長を見ながらメンバーを決めていくことになるんだろうなと思っています」と、新戦力の登場や既存メンバーのさらなる向上を歓迎した。

ただし、今回主眼を置くのは、繰り返しになるが、10月26日からスタートするオリンピックアジア2次予選。今回の親善試合は、その前に行われる唯一の対外試合のため、継続性を意識した今回のような編成になったと池田監督は述べた。

「アジアの予選は、レギュレーション的にもアジアからは2枠なので厳しい戦いになると予想しています。その2次予選が始まる前にできる強化試合は今回のアルゼンチン戦だけ。ワールドカップが終わって期間が短い中で、チームをまた1から作るよりは、この短期間で(既存のチーム・メンバーが)やれていること、やれてなかったことを整理してこのアルゼンチン戦に向かう、そして10月の2次予選に向かう。そういうことを考えてワールドカップで戦ったメンバーが多く、継続性というかこの短期間の中でアジアの2次予選を戦っていくことをイメージしています」

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