栃木県内各地で大雨 「記録的短時間情報」5回 宇都宮、3時間雨量が観測史上最多

冠水した交差点を慎重に進む乗用車=4日午後1時5分、宇都宮市横田新町

 栃木県内は4日、南東から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で大気が非常に不安定となり、局地的に大雨となった。気象庁はレーダー解析で1時間の雨量が約110ミリに達した宇都宮や真岡、さくら市、益子、芳賀、塩谷町付近に、計5回の記録的短時間大雨情報を出した。宇都宮と那須塩原、矢板市、高根沢町は一部地域に避難指示を出した。県によると、同市など3市2町で計23棟が床下・床上浸水したほか、道路冠水などが相次いだ。

 同情報は数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨が降った際に出され、県内では2020年9月以来3年ぶり。

 気象庁によると、真岡市付近では気象レーダーの解析で、午後0時までの1時間雨量が約110ミリに達した。その後は宇都宮市や芳賀町付近に同情報が出た。さらに宇都宮市には2度目、さくら市、塩谷町にも同情報が出た。

 宇都宮地方気象台によると、この日の1時間雨量は真岡が同0時56分までに、宇都宮は同1時54分までにいずれも75ミリを観測。塩谷は同4時14分までに53ミリを記録し、3地点で9月の観測史上最多となった。

 また3時間雨量でみると、宇都宮は同2時50分までに、観測史上最多となる130.5ミリを記録した。これまでの最高だった19年10月の台風19号の被災時を4ミリ上回った。

 記録的な大雨に伴い、宇都宮地方気象台と県は同日午後、宇都宮市や高根沢町など14市町に、5段階のうち避難が必要とされるレベル4相当の県土砂災害警戒情報を出した。

 また石橋地区消防組合消防本部によると、下野市内の用水路の中で80代男性が心肺停止で見つかった。雨との関係は不明という。

冠水した交差点を慎重に進むパトカー=4日午後1時、宇都宮市横田新町
道路のマンホールから水が噴き出し一部通行止めとなった交差点=4日午後1時55分、宇都宮市上横田町

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