ますずし超音波でカット 南砺・平ら寿し本舗が専用機

平ら寿し本舗が開発したますずしのカット機=南砺市野尻

  ●切れ目入れ食べやすく

 南砺市野尻のますずし製造・販売「平ら寿(ず)し本舗」は超音波を使ったますずしのカット機を開発し、切れ目の入ったますずしの販売を始めた。ますずしは、付属のプラスチック製ナイフで切り分ける形式が一般的だが、これまでより食べやすくした。同社によると、専用のカット機は富山県内では珍しく今後、全商品で導入する。

 平ら寿し本舗のます寿しは、食べやすさを考え、独自の四角い木枠を使用しているのが特徴。消費者から「事前にカットしてあれば食べやすい」との声があり、創業者の松谷輝義相談役(80)が知り合いの製造業者に相談して製作した。

 縦、横15センチの木枠に笹の葉を敷いて詰めたますずしを、カット機に通すと超音波で振動させた刃が自動的に縦横に切り、一口サイズの計15個の切れ目を入れる。機械は、すしの底に敷かれた笹の寸前で刃が止まるように微調整してある。

 切れ目を入れても酢飯同士がくっつく場合があるため、付属のナイフも添える。1箱2300円。木枠に詰めたますずしは、昆布締めや厚切りと合わせて計3種類あり、順次、切れ目を入れた商品に切り替える。

 富山市内のますずし製造会社によると、小箱の長方形の商品には、切れ目が入っているが、手作業で行われているケースが多いという。

  ●若い世代、おいしさ知って

 松谷相談役は「切る手間の省略は、若い世代にもますずしのおいしさを知ってほしいという思いがある」と話した。

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