創刊記念日

 〈来季は主戦場を米国に移しているに違いない〉-少し気の早い観測が夕刊紙のネット版で躍っていた。史上3人目となる「10代でのツアー3勝」を成し遂げた女子プロゴルフの櫻井心那選手=長崎市出身=▲平均250ヤードを超えるとされる豪快なドライバーの飛距離が魅力で強みの櫻井選手だが〈どのクラブもスイングの軌道が同じで、ショートアイアンはトップレベルの上手さ〉と安定感を絶賛する分析も見つけた▲今週は地元で四大大会の一つ、日本女子プロ選手権に臨む。すっかり本紙1面の“常連さん”になりつつある彼女、紙面を大きくあけて活躍を待ちたい▲俳優の役所広司さん=諫早市出身=のカンヌ映画祭主演男優賞受賞は5月、作家の垣根涼介さん=同=の直木賞は7月。櫻井選手に限らず、本県出身者たちのさまざまな活躍が印象に残る今年ここまでの紙面▲8月の世界陸上、廣中璃梨佳選手=大村市出身=の激走はまだ記憶に新しい。この夏、二つのタイトル戦で藤井聡太七冠に挑んだ将棋の佐々木大地七段=対馬市出身=にはこの欄でも何度も声援を送った▲〈遠きにありて思ふもの〉-ふるさとを離れても紙面に元気をくれる彼や彼女。地元の報道が何かの励みや後押しになっているとうれしい。本紙はきょう134回目の創刊記念日。(智)

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