第12回佐賀県工業大賞の最高賞に当たる知事賞に、伊万里市の釣り具メーカー「まるきん」が開発した自動旋盤による加工物の回転式受け皿が選ばれた。八つの受け皿が旋盤の加工プログラム変更と連動して入れ替わることで、加工物の少量多品種生産と無人作業を可能にしたことが評価された。
同社は県内外で釣具店を経営し、二里町にあるキザクラ工場で浮きやルアーを製造している。浮きは形や大きさの異なるものが50種類あり、重心を安定させるために内蔵する鉄製の部品を自動旋盤で約500種類作っている。
自動旋盤では1時間で部品約100個を加工できる。受け皿が一つの時は品種ごとに人の手で入れ替える必要があったが、回転式受け皿の開発によって8品種まで自動で作れるようになった。少量多品種生産が可能になり、納期の短縮や適正在庫につながった。
草野剛社長は「コスト削減や働き方改革に寄与し、時代のニーズに合った開発と評価してもらえたことがうれしい。これからも技術力を高めて生産性を上げていきたい」と話している。(青木宏文)
他の受賞企業は次の通り。
優良賞 チクシ電気佐賀工場(吉野ヶ里町)▽奨励賞 大神(佐賀市)▽特別賞 中村電機製作所(同)